東京魚チング

魚のタテ・ヨコ、右・左

 水槽の前で、この魚の特徴はタテ縞ですと説明すると、え!これはヨコ縞ではないのかとおっしゃる方が多い。どうも魚のタテ・ヨコを勘違いしていらっしゃる。魚のタテ・ヨコはどうやって見ればよいのか。御用とお急ぎでない方はお耳を拝借(はいしゃく)。そもそも,魚もヒトも生物学的には同じ脊椎動物に属します。但し、それぞれ進化の道筋(みちすじ)や程度が異なったために、現世(げんせい) ではヒトは立って地上を二本足で歩き、魚は水中を泳ぐようになったのです。姿・形はずいぶん違いますが、背骨を始めとして基本的な体の構造や各器官の機能には共通点があります。では、ヒトの腕に相当するものが、魚では何かと言えば、胸鰭(むなびれ) であり、足に相当するのは腹鰭(はらびれ)です。生物学では、このような関係を、お互いに相同(そうどう) といいます。そこで、この相同器官を用いてタテ・ヨコ問題を考えましょうヒトを魚に例えて、腕が胸鰭で、足が腹鰭ならば、クロ−ルや平泳ぎの態勢を思い浮かべれば良いのです。それならば、魚がヒトのように、立ったらどうなるか。頭を上に、胸鰭(腕)や腹鰭(足)のある腹を向こう正面に向け、背鰭(せびれ)のある背を手前にして立ててみます。つまり、ヨコのものをタテにすれば良いのです。すると、シマアジの黄色いストライプはヨコではなく、タテが正解となります。では、右・左はどうでしょう。左ヒラメに右カレイといって、両目が体の左側面に寄っているのがヒラメ、体の右側面に寄っているのはカレイですが、肝心の右・左が判らなければ区別できません。これも、ヒトに例えて、上記のように魚をタテにして考えると、察しのよい読者諸氏には左右はたちどころに区別できるでしょう。どなたです、タテのものをヨコにするのも嫌だなんていう方は!mu
ヒラメ写真
写真・ヒラメ

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