奥多摩分場ニュース
第58号 平成12年 1月12日
〒 198-0105  東京都西多摩郡奥多摩町小丹波720
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奥多摩湖の魚類相について
 当分場では、奥多摩湖における魚類相について定期的に調査し、その変化を把握しています。
 平成11年度は2年ぶりに実施しましたので、その概要をお知らせします。
 平成11年8月24日に、奥多摩湖西部の「留浦の浮橋」で表層に三枚網(目合い4〜20節)を24反、湖底に三枚網(目合い4、20節)を2反、ワカサギ網(24、26節)3反、ビンドウ12個(水深0〜10m)を設置し、翌朝に引き揚げました。
地図
図1 調査地点
 その結果、9種363尾が採集されました(表1)。
 採集された魚を漁法別に見ると、表層の三枚網で7種183個体、主にオイカワ、次いでウグイ、ワカサギが、湖底に設置した三枚網では5種12尾と少なく、ワカサギ、ゲンゴロウブナが、ワカサギ網では3種167尾、主にワカサギ、オイカワが主な採集魚でした。なお、ビンドウは12個設置しましたが、わずかウダイが1尾採集されたのみでした(表1)。
表1 平成11年度奥多摩湖留浦における魚類相調査結果
魚種名\漁法 三枚網(表層) 三枚網(低層) ワカサギ網 ビンドウ 合計
サツキマス 2       2
ワカサギ 9 4 94   107
コイ 6       6
ゲンゴロウブナ   4     4
ウグイ 25 1 4 1 31
オイカワ 138   69      207
カマツカ   1     1
オオクチバス 1       1
ヨシノボリ 2       2
ヌマチチブ   2     2
合計 183 12 167 1 363

ワカサギ
 合計で多く採集されたのはオイカワ207尾、ワカサギ107尾ウグイ31尾でした。
 魚種の増減を見てみると平成8、9年に多かったホンモロコは減少し、ウグイ、オイカワが増加しています(表2)。
表2 近年の奥多摩湖留浦における魚類相調査結果
魚種名\年度 平成元年 平成2年 平成3年 平成8年 平成9年 平成11年 累計 平均
ニジマス 1 1 0.17
ヤマメ(サクラマスを含む) 1 1 2 0.33
アマゴ(サツキマスを含む) 1 2 3 0.50
イワナ 1 1 0.17
ワカサギ 3 41 18 91 15 107 275 45.83
アユ 1 1 2 0.33
コイ 4 1 3 9 1 6 24 4.00
フナ 3 1 1 27 4 36 6.00
ウグイ 31 13 26 23 28 31 152 25.33
オイカワ 8 3 8 23 80 207 329 54.83
ハス 1 2 1 4 0.67
ホンモロコ 13 1 3 172 38 227 37.83
カマツカ 1 1 0.17
スジシマドジョウ 3 2 5 0.83
オオクチバス 1 2 1 4 0.67
ヨシノボリ 1 2 3 0.50
ヌマチチブ 2 2 0.33
合計 65 67 62 350 164 363 1071 178.50

 ワカサギは近年不漁が続いていましたが、本年は多く捕獲されました。本種の全長組成(図2)をみると1尾を除いて0年魚で、11年春の孵化放流魚の生残が良かったものと推定されます。
 なお、ブラックバスは今回の調査では1尾採集されました。奥多摩湖はヤマメの降海であるサクラマスが生息しますが今回は捕獲されませんでした。その代わり、アマゴの降海型であるサツキマスが捕獲されました。多摩川は本来ヤマメしか生息しませんのでこのサツキマスは放流由来と思われます。
グラフ
図2 ワカサギ全長組成

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