八丈分場だより
No.266 平成13年4月13日発行
2001年4月〜6月の海況予測
 3月28日に黒潮研究部会が各県・各機関からの情報をもとに1月〜3月の海況経過と4月〜6月の海況予測をとりまとめ、発表したのでお知らせします。
(1)実況と経過(2000(平成12)年12月〜2001年3月)
 伊豆諸島海域では12月上旬からB型流路を呈していた黒潮は1月半ば頃C型流路に変わり、黒潮の北上部が伊豆諸島の西から東に移動した。これに伴い伊豆諸島南部海域では水温が平年よりも「高め」から「低め」となった。1月の末からは黒潮は依然として伊豆諸島の東側を北上したが、北上流路の小変動に伴い、3月初めには伊豆諸島の東から一時的に黒潮系暖水の波及が見られ、南部海域の水温は「平年並み」から一時「やや高め」となった。
黒潮流路のタイプ図
黒潮流路のタイプ
(2)予測(2001(平成13)年4月〜6月)
《黒潮》
 黒潮流型は4月前半にはC型で安定する。4月後半〜6月前半はC型基調で推移し、小蛇行の東進現象に伴い6月後半、再びB型となる。
《沿岸水温》
 「低め」基調で一時「高め」。小蛇行の通過に伴い変動する。
(3)予測の説明
 黒潮流路の蛇行はほとんどの場合、都井岬南東沖で発生した小蛇行が遠州灘沖まで東進し、そこで発達することにより形成されますが、小蛇行が都井岬沖から遠州灘沖に達するまでの時間が3〜4ケ月の場合はB,C型になることが経験的に知られていること。
 また、最近30年間の例ではA型に発達するのは2月〜8月に都井岬沖で発達した小蛇行に限られていること。
 九州南東岸での小蛇行の発生と東進が昨年暮から3月までに4回ほど認められ、遠州灘沖に達して発達し、B,C型海況となるパターンが今後も継続すると予想されること。
 土佐沖や潮岬沖での黒潮が引続き離岸傾向で推移していること。
 以上のような特徴から、次期(2001年4月〜6月)の黒潮の流路変動として、「C型基調で推移するが、小蛇行の東進に伴い一時的にC型〜B型〜C型を繰り返すような変動をする」と予測されます。
(4)前回予測の検証
《黒潮》
予測:12月中はB型が継続し、1月にはC型基調にもどる。小蛇行の東進に伴い、3月〜4月頃に一時的にB型となる。伊豆諸島海域では黒潮流路が断続的に大きく変動する。
検証:3月までは予測通り。
《沿岸水温》
予測:伊豆諸島南部海域の沿岸水温はC型基調のため全般に低め、今年12月中と来年3月〜4月頃はB型となり、一時的に高めとなる。
検証:B型からC型となったが、黒潮系水の波及により3月初めから平年並みの水温となった。
海況

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