平成13年12月26日発行 No.269
放流トコブシ収穫状況(収穫量と成長)
 5月29日に大賀郷で開始された2001年のトコブシ漁は8月15日までにすべての地先で終了しました。今回は、収穫量と成長状況についてお知らせします。
<平成13年収穫状況>(表1)
 地先別の収穫状況を表1に示しました。8月15日までに集計された総漁獲量は5175.7kgで昨年(3180.3kg)の162.8%、うち放流貝の収穫量は1904.0kgで昨年(900.8kg)の211.4%とともに増加しました。
<地先別収穫量>(表1)
 地先別に見ると、漁獲量は中之郷が昨年の1.8倍になったのをはじめとして、三根が1.6倍、末吉1.44倍、大賀郷1.24倍と全地先で増加しました。放流貝の収穫量は中之郷が昨年の2.25倍、末吉は昨年の1.6倍と増加しましたが、大賀郷と三根はほぼ昨年並みでした。
<放流貝の混獲率>(表1)
 8〜10年度に30%以上で推移していた放流貝の混獲重量率は、11年度、12年度は20%台に落ち込んでいましたが、今年度は36.8%に回復しました。
<収穫貝の体型>(表2)
 地先別の平均殻長および平均体重を表2に示しました。放流貝は、全島平均で昨年と比べて平均殻長で1.1mm、平均体重で4.2g小さくなりました。
<収穫貝の肥満度>(表3)
 表3に各地先のトコブシの殻長と体重の関係式から算出した殻長50mmと60mmの計算体重を示しました。これによると、どの地先も昨年より同一殻長での体重が減少しており、昨年よりも肥満度が低いことがわかります。特に三根地区では殻長50mmでは4g、60mmでは6gもの体重の減少となっていました。

図1.八丈管内トコブシ漁獲量の推移
 八丈周辺に生息するトコブシは標準和名をフクトコブシといい、八丈島では「あぶき」と呼ばれています。
 八丈島では昭和40年代に70トンほど水揚げがありましたが、昭和60年頃に20〜30トンに低下、その後平成4年頃から2〜5トン前後で推移しています。

回収した放流トコブシ

back
もどる