内湾調査令和8年7月22日 貧酸素水塊と飛び込んでくるボラ

内湾調査令和8年7月22日 貧酸素水塊と飛び込んでくるボラ

7月に入り、梅雨が明けると気温が急上昇したのを感じます。そうなると懸念されるのが貧酸素水塊です。海水は、夏場に気温が上がり雨も多くなると、暖かく塩分濃度が低い、軽い表層水と、冷たく塩分濃度が高い、重い底層水とで分かれます。底層水は、東京湾の様な、波や流れが弱く濁りが強い海域では、酸素濃度の高い表層の海水や新鮮な海水と混ざらず、光合成に必要な光が届かないため酸素が供給されません。そればかりか、底層に堆積した有機物が分解される事で酸素がより多く消費されるため、殆ど酸素が存在しない海水となります。これが広範囲に渡って現れると貧酸素水塊となります。内湾調査では曳網を使って底層の生物を採集するので、貧酸素水塊が発生すると、海底に近い場所に生息している生物が底層から退避してしまい、採集できる量が少なくなる事が多いです。

今回の調査でも、St.2とSt.5で貧酸素とされる酸素濃度(3mg/L以下)が記録され、St.4でも3.25mg/Lと、貧酸素に近い酸素濃度が記録されました。イサザアミなどは採集できたものの、魚類などは殆ど採集できませんでした。

ただ、採集はできなかったものの、酸素濃度の高い海面では、魚の群れが泳いでいる様子がよく見られ、その中でも特にボラMugil cephalus cephalus Linnaeus,1758が目立ちました。いつもは船が通った後を跳ねている事が多いのですが、今回は、船がボラの魚群に近づいた瞬間から跳ねていたこともあり、船に飛び込んできたり(図2)、船の窓にぶつかってきたり(図3)しました。ボラは曳網では採集する前に逃げてしまうので、この調査で採集されることは殆どありませんが、このような形で採集(?)されることもあります。

東京湾奥調査地点図.png

図1 調査地点図

 

R080722ボラ.jpg

図2 船に飛び込んできたボラ。
しばらく元気に跳ね回るので海に戻すのも一苦労です。

 

R080722ボラ痕跡.jpg
図3 ボラがぶつかった痕跡。
鱗が剥げて船の窓に貼り付いています
。

 

令和8年7月22日 内湾水質調査結果

R080722.png

このカテゴリー内の他のページ