普及指導資料 020717

多摩川下流域アユ推定遡上量の推移

 近年、多摩川・秋川では下流から上流まで魚道の整備が進み、より多くのアユが遡上できるような河川環境が実現しつつあります。このため、東京都では、東京都内水面漁業協同組合連合会、東京水産大学とともに、多摩川調布取水堰下で、東京湾から多摩川へ遡上する稚アユ(海産アユ)の調査をおこなっています。調査では、毎年4月から6月に小型定置網を設置して、採れたアユの数から多摩川に遡上するアユの数を推定していますが、本年も4月8日から6月17日の期間、定置網を設置しました。この間に、網で採補したアユの数から推定した遡上量は約113万尾で、過去19年間の調査では、平成5年の130万尾に次ぐ多い遡上量となりました。

 また、採れたアユの一部は“あぶらビレ”を切り取って標識とし、調布取水堰の上流から放流して、どこまで上っていくか追跡します。本年は、標識したアユ12,730尾を堰の上流で放流できました。アユ釣りシーズンを迎えたこの季節どこまで遡上しているのかを確認するために、釣り人から標識アユの再捕情報を収集しています。


多摩川調布取水堰を遡上するアユ(体長6cm) 多摩川調布取水堰を遡上するアユ(体長6cm)

多摩川調布取水堰を遡上するアユ(体長6cm)