(普及指導資料 021022)


三宅島漁業復興シンポジウム

10月12日(土)に東京都水産試験場と東京水産大学が共催して「三宅島漁業復興シンポジウム―元気出そうぜ!三宅の海は待っている―」を開催しました。噴火災害に関する現状や、海と海藻や貝類などの沿岸生物への影響調査の結果を報告するとともに、漁業復興を目指すパネルディスカッションを行いました。

当日の内容

会場の様子
 
 当日は、3連休はじめの土曜日で参加者がどのくらいになるか心配しましたが、三宅島関係者約50人をはじめ一般都民、東京都関係、大学関係者など総勢約200名の方々が参加し、会場の都民ホールの席をうめて下さいました。
シンポジウム開幕
 
 シンポジウムは東京水産大学 隆島史夫学長の開会挨拶の後、東京都小笠原水産センター 米山純夫所長の基調講演「伊豆諸島における噴火災害と漁業」から講演が始まりました。
 引き続き、今回の噴火災害に関係する6つの講演発表がありました。
パネルディスカッション
 
 休憩をはさんでパネルデスカッション「三宅島漁業の復興をめざして」に移りました。
座長:
馬場安男(東京都 産業労働局農林漁業技術改善担当 参事)
パネラー:
  • 鈴木正巳(東京都産業労働局農林水産部 水産課長)
  • 石井規久(三宅村役場 農林水産業整備担当課長)
  • 浅沼徳広(三宅島漁協 専務)
  • 森永 勤(東京水産大学 教授)
  • 米沢純爾(東京都水産試験場 副参事研究員)
現状説明
 
 討論の糸口として、避難している漁業者や漁協の現状がどうなっているのか漁協浅沼専務からの説明があり、村役場石井課長からは施設の様子やこれまでの支援策等が話されました。関連する三宅島の写真等を映しながら、聴衆にも解りやすく話しがすすめられました。
パネルディスカッションで示されたポイント
  1. 漁業権に関しては、地先の専用区を無くし、資源の効率的、持続的利用を図る。
  2. 避難先で学んだことを生かして、漁船漁業のいっそうの活性化を図る。そのことが漁業権漁場を休ませることになる。
  3. 漁協の改革方針を着実に実行し、経営の大改革を図る。
  4. 施設の復旧は困難を極めるが、関係機関の支援をあおぎながらじっくり復旧に努力する。

 そして、それぞれの立場から三宅島漁業復興に当たってのキーワードとして復興へ向けた思いを述べ、座長がポイントをまとめ討論を締めくくりました。

 また、産・学・公が共同して復興を支援して行こうとまとめました。
パネル展示の様子
写真 会場外に設けられたパネル・火山灰などの展示
 
 最後に東京都水産試験場岩田光正場長が閉会の挨拶として、水産が島の復興の先頭に立って動いていることが確認できたが、まだそれぞれの努力が必要であり、一層のご支援、ご協力をお願いするとともに、一刻も早い帰島が実現するようにと参加者にお礼を述べ、シンポジュウムを閉会しました。
参加者へのお土産
 
 参加者は講演発表やディスカッションを最後まで熱心に聞いて下さいました。シンポジウム終了後に、三宅島元気農場で収穫した明日葉やサツマイモと三宅島夢農園からのコスモスの花の無料配布があり、お土産を両手に1日も早い三宅島への帰島を願いながら、都民ホールを後にしました。

当日の参加者アンケートの結果はこちら


 今回のシンポジウム開催に当たり、三宅島漁協、三宅村役場はじめ、三宅支庁、農林水産部水産課・農政課等東京都関係、東京水産大学や(独)水総研センター中央水産研究所など、多くの方々のご協力をいただきました。改めて感謝するとともに厚く御礼申し上げます。