【背景・ねらい】

新島では、農商工連携により伝統作物のアメリカイモ(サツマイモの一品種、「七福」)を原料にした焼酎が生産され、農業収入が伸び生産者の意識に変化が起こりました。これがきっかけとなり、農業経営の向上を目的に普及指導センターと農業生産者グループ(新島村農業研究会、通称「sun sun」)、農協、村等の連携による取組が始まりました。

【成果の内容・特徴】 

 

1.普及指導センターと新島生産者・関係者の取組

 平成22年秋、農地の利用率向上と収入増加のため、アメリカイモ栽培後の畑にタマネギを植え付けました。一方、普及指導センターは、市場関係者とのパイプ役を務めたことで市場を通じた都内量販店向け販売ルートを開拓しました。タマネギを試験出荷したところ、消費者が美味しいと大変好評となり、量販店等から新島産農産物の出荷拡大要望が寄せられました。10品目程度出荷した中から新島で古くから食べられ特に馴染み深い野菜類4品目を主要出荷品目として選定し、現在、生産拡大とブランド化を図っています。

2.ブランド化を目指す4品目の農産物

 タマネギは新島の砂質土壌での栽培に適し、甘みのある美味しいものができます。

アシタバは新島の代表的な農産物です。量販店では消費者から新鮮で品質良く美味しいと好評となり、量販店等からは出荷量を増やしてほしいと要望が寄せられています。ラッキョウ塩漬けは、加工作業が煩雑で生産拡大が出来ないという問題がありました。そこで、普及指導センターと「sun sun」が加工に関する問題点の改善方法を提案し、出荷拡大することができました。アメリカイモは量販店向けに出荷した他、直径2cm程度の小芋でも丸みを帯び、形状が良いため、これらの小芋をレストラン向けに出荷する検討も行っています。

3.ブランド化への新たな取組

 都内在住のデザイナーやイベントプランナーで構成される新島支援グループ(「Nieve」)と島内商工関係者が加わり、新島農産物をブランド化する取組みが始まっています。普及指導センターと生産者等の島内関係者が新島の魅力の掘り起こしに取り組み、その結果を「Nieve」がブランド化に向けたデザイン開発等に反映させています。

 

 

【成果の活用と反映】

 普及センターではこれらの活動を通じて新島村の農業活性化を推進していく(原島 浩一)

 

あめりか芋を使った農業振興