2014年春期における利島のトビモンオオエダシャク若齢幼虫密度は2.91頭/分/人と前年比3倍に増加しました。秋期に調査したツバキの食葉被害程度も南部を除き全島的に上昇し、特に西側の食葉被害度が増加しました。ツバキ林地中の越冬する蛹密度も高く、2015年の発生はさらに多くなる可能性があります。
キキョウランは、火山ガスに耐性のある切葉として、三宅島農業の基幹作目となっています。一方で葉の先端部分が枯れてしまう「葉先枯れ」が多発し、出荷時に枯れの部分を取り除く作業が必要となり、生産者にとって大きな負担となっています。葉先枯れは葉からの蒸散量が多くなるほど発生しやすくなることから、遮光による蒸散量の抑制で葉先枯れ軽減を試みました。
小笠原諸島において島レモンと呼ばれて親しまれている「菊池レモン」は、本研究で年3回(春季、夏季、秋季)開花することが明らかとなりました。各開花期由来の果実特性を調査した結果、夏季開花由来の果実は果皮とじょうのうが薄くて果汁歩合が高く、秋季開花由来の果実は種子数が少ないことがわかりました。また、夏季開花を利用して11月、秋季開花を利用して4月下旬~5月下旬の商業出荷が可能になることがわかり、従来の出荷時期(9月上旬~10月中旬)とあわせた年3回出荷の実現が期待されます。