とれたて新鮮野菜を学校給食に 給食施設出荷部会の取組
とれたて新鮮野菜を学校給食に
給食施設出荷部会の取組
背景・ねらい
地産地消への取組が全国的に広がりを見せる中、農協、町役場、支庁、保健所、普及センターによる推進会議気や各給食施設の栄養士が加わった検討会(写真1)が開かれ、平成20年7月にJA東京島しょ伊豆大島支店給食施設出荷部会が設立されました。これにより、大島でも地場野菜の学校給食センターや老人ホーム等給食施設への供給や食育推進活動が始まりました。(現在の会員数21名)
成果の内容・特徴
1 学校側からの大きな期待
これまで学校給食に使用する食材は、ほとんど島外産でした。地場産の安全・安心な食材を給食に取り入れることに対し、学校や保護者の期待は大きく、部会設立後の昨年の出荷実績は、ジャガイモやダイコンなど19品目に上りました。学校は、部会から出荷された野菜が給食に使われる際に、給食だよりや給食ニュース(写真2)などで全校生徒に紹介するとともに、生産者を学校に招いて生徒たちと野菜作りに関する意見交換会(写真3)も行っています。
2 計画的生産や安全・安心への支援
島内の給食に使用される食材は、野菜類だけでも膨大な量になります。昨年の実績では、給食の全使用量に対する部会からの出荷野菜の割合は決して高くありません(表)。また、短時間に大量調理を行う給食施設では、調理作業の効率化を図るため出荷規格の徹底が必須となります。そこで、大島普及指導センターでは、学校給食センターなど給食施設側と検討を重ね出荷規格を作成したほか、安全・安心な野菜の栽培に向け、可能な限り農薬を使わない栽培に向けた病害虫防除例を提供しました。また、会員間の生産計画の調整や試作品種の栽培検討会(写真4)を開催し、部会活動を後押ししています。
成果の活用と反映
部会の取組はまだ産声をあげたばかりですが、学校側からは「安全・安心な地場産の野菜をもっとたくさん!」と、要望は高まるばかりです。学校給食を通じた子供たちと生産者との交流も貴重な体験になるはずです。今後も、さまざまな角度から給食施設出荷部会の活動を支援していきます。(久保田聡・本橋浩紀)
写真1 関係者による検討会
写真2 給食ニュース
写真3 小学校での意見交換の風景
写真4 ニンジンの試作品種栽培ほ場
表 給食施設出荷部会出荷の主な野菜と給食での占有率
品目 |
給食施設での総使用量(㎏) |
部会出荷量(㎏) |
占有率(%) |
ジャガイモ |
3,842 |
242 |
6 |
サツマイモ |
742 |
173 |
23 |
ダイコン |
2,206 |
153 |
7 |
キュウリ |
1,786 |
125 |
7 |
タマネギ |
7,017 |
104 |
1 |
キャベツ |
6,317 |
45 |
1 |
注)総使用料は、町立学校給食センター、都立海洋国際高校、老人ホーム
北の山保育園での使用量の合計
