【背景・ねらい】

   八丈島ではフラダンスで身に着けるレイの材料となるレイ・プランツを生産しています。その中で、最も出荷量が多いのがコルディリーネです。「ニューギニアブラック」は、現在八丈で栽培されているコルディリーネとは異なる色・形・ツヤを持つので、新たな生産・出荷が期待されます。そこで、「ニューギニアブラック」を他の黒色系の品種と比較して、特徴や生育を明らかにし、レイ・プランツの生産振興につなげていきます。

 

【成果の内容・特徴】

① 品種の比較方法

 比較試験には八丈事業所で保有する①「ニューギニアブラック」(品種①)、②「ブラックコーンリーフ」(品種②)、③「黒葉1」(品種③)、④「黒葉2」(品種④)、⑤「ティ」(品種⑤、対照)を使いました。定植後約5ヵ月が経過、葉身の大きさ・草丈・収穫可能な枚数を調査しました。大きさを調査した葉は、収穫可能な上位第1葉から上位第5葉まで(以下、第1葉~第5葉)の計5枚としました。

② 葉の特徴

 「ニューギニアブラック」は特に濃い紫~黒色をしており、表面に強い光沢がありました(写真1)。また、他の品種に比べて葉身長/葉身幅が大きく、葉身が細長い特徴を持っていました(表1)。「ブラックコーンリーフ」は濃緑色で、光沢は弱く、葉身長/葉身幅は中間で、葉は比較的大きい特徴がありました。「黒葉1」は、「ニューギニアブラック」に似た濃い紫~黒色をしていますが、光沢は弱く、葉身長・幅は半分の大きさでした。「黒葉2」は葉身長が最も短く、光沢は弱く、他品種と比べ有利な点は認められませんでした。

③ 生育特性

 定植5カ月後の草丈は、対照区が108㎝で最も高く、他の品種は85㎝程度でした(図2)。「ニューギニアブラック」の収穫可能な葉の数は11.0枚/株で、「ブラックコーンリーフ」を除く3品種の12.2~13.5枚に比べ少ないですが、葉が細くコンパクトなので、他の品種よりも密植にすることで収穫枚数の増加が可能であると考えられます。

 

【成果の活用と反映】

  「ニューギニアブラック」は他の黒色系の品種と比べて細長い葉を持ち、強い光沢のある濃い紫~黒色の葉を持つ特徴的な品種でした。生育は「ティ」と比較しても大きく劣ることは無く、その独特の特徴を生かすことで、新たな生産・出荷が期待できる有望な品種です。

(鈴木 克彰)

レイ・プランツの品目充実を目指して