メダカ


標準和名

メダカ

学名

Oryzias latipes (Temminck and Schlegel)

地方名

ハリメド(東京)、アブラギ(長野)、ウーケス(愛知)など全国に5,000近い地方名がある。

分類

ダツ目、メダカ科、メダカ属

形態

体は細長く側扁形で全体に灰褐色を帯びる。頭上は扁平で、背ビレは体の後方に位置する。オスでは臀ビレが高く、メスではこれが低い。最大体長は3cm程度。

分布

国内では、青森県から沖縄県まで自然分布。現在は移殖による分布が北海道でも認められる。国外では中国、朝鮮半島、台湾等に自然分布するほか、アメリカの一部でも移殖されたものが自然繁殖している。東京では多摩川、江戸川水系の中流から下流部などにわずかに生息、自然繁殖している。しかしこれらは、一度絶滅した後に放流されたものが自然繁殖している可能性もある。

生態

東京での産卵期は5月から9月と長い。卵は主として水草などに産み付ける。
 卵径は1mmから1.5mm程度で表面に付着糸をもつ。水温20℃で2週間ほどでふ化する。ふ化仔魚の体長は5mm程度。ふ化後1年で体長2cmから3cm程度に達し成熟する。野生魚の寿命は普通1年であるが、飼育魚では2年近く生きるものもある。
 食性は雑食性であり、主として植物性プランクトンや動物性プランクトンを食べる。

資源の利用と保全

本種は大きな川に生息する魚種ではなく、水田やその用水路を主なすみかとしている。かつては都内のどこでも見られたが、1950年代から1960年代の経済高度成長期を境にほとんど絶滅してしまった。現在一部の都内河川で自然繁殖しているものも、放流魚由来である可能性が否定できない。
 本種は小型種なので、他魚種の食害から逃れる水草の茂みや水深の浅い岸辺などの自然環境が必要である。また水草の茂みは産卵場としても重要であり、その復元が望まれる。

都内の貴重なメダカの生息地, 葛飾区水元公園

都内の貴重なメダカの生息地, 葛飾区水元公園

メダカは水田の魚

メダカは水田の魚