【背景・ねらい】

   伊豆諸島の漁業にとって重要な魚種であるクサヤモロの持続的な利用を目的として、島しょセンターでは、クサヤモロ資源のモニタリング調査を実施しています。これによりクサヤモロの資源状態を把握し、資源管理の基礎データとして活用していきています。

 

【成果の内容・特徴】

①  過去のデータおよび2013年の漁期前調査から尾叉長20cm前後の小ムロの加入は7月の黒潮の流型によって大きく変化することがわかりました(図1)。

②  2015年の海況は7月にN型からB型に変化し、8月中旬にC型になりました。これに対応して、7月~8月初めは小ムロが大半を占めていたのが、8月中旬以降は大型の個体に入れ替わりました(図2)。

③  10月~11月は30cmを超える個体は例年通り少なくなりました。この大型魚がどこに行ったか解明するために標識放流を行いました(図3、図4)。

 

【成果の活用と反映】

   クサヤモロの生態を解明することにより効率的な漁業および有効な資源管理に役立てていきます。

 

(東元俊光)

八丈島におけるクサヤモロ調査