キンメダイの資源生態について、既存の知見とデータを総合的に検討しました。その結果、キンメダイの移動回遊と資源変動には、黒潮の蛇行や黒潮再循環流など、海流系が関与していることが示唆されました。それらをふまえ、今後の調査研究を効率的に推進するため、移動回遊と資源変動のしくみに関する作業仮説を提案しました。
島しょ農林水産総合センター大島事業所では、調査指導船「みやこ」・「やしお」による定線観測や各島での定地水温観測等によって、伊豆諸島北部海域の海況の把握に努めています。得られた情報は日々の操業に活用していただけるよう、関東・東海海況速報や海況情報等を通して提供しています。今回は2015年夏期の海況についてタカベ漁況への影響を考察しました。
クサヤモロは4大漁業の一角を占める重要魚種です。八丈事業所では、漁業者による漁獲状況を把握するとともに、漁獲物の魚体測定を行い資源管理の基礎データを収集しています。
黒潮および内部波が強く影響する海域において、動植物プランクトンの多様性を評価しさらにその予測をおこなうため、数値モデルとモニタリングシステムを組み合わせた新技術の開発を行うことを目的としています。海底設置型観測装置OCEANS(オーシャンズ)によって得られたプランクトンのデータを解析し、プランクトンの行動が流速によって支配されることが示唆されました。
多摩川を遡上する東京湾育ちの「江戸前アユ」は、平成27年度の下流域の調査では、435万尾と推定されています。そのアユが中流域(調布取水堰~青梅市街)をどのくらい遡上しているのか、また、遡上するアユの生活履歴を調査しました。