背景・ねらい

 三宅島から新島周辺の沿岸漁場では、一連の噴火・地震活動により火山噴出物や崩落土砂等が漁場に堆積し、水産資源への影響が懸念された。火山活動が一時収まった8月以降、潜水調査を実施し、漁場への影響把握を行っている。ここでは、特に漁場被害が懸念された三宅島、神津島および新島地区で8月から9月に実施した潜水調査の結果について報告する。


成果の内容・特徴

  1. 三宅島: 降灰・泥流の影響を受けた島の北東側の漁場で、トコブシ、テングサ等の埋没が確認された。8月18日の噴火による降灰で島の北西側の漁場は濁っており、岩の間には多いところで5cmから10cmの灰が堆積していた。
  2. 神津島: 海岸線の崩落が起きた島の北東側の漁場では、陸上起源の土砂が海底や岩上に堆積し、地震による海岸の巨岩の移動等なども確認された。
  3. 新島: 断崖絶壁の島の北側の漁場では、落石により漁場が埋没し、そこに生息するテングサやトコブシ、サザエ等への影響が懸念されたが、わずかに残った隙間等に生息が一部確認され、全滅は免れていた。

成果の活用と反映

 調査結果については、速やかに取りまとめ関係機関に報告するとともに、ホームページ上で一般都民への情報提供を行った。今後も被害漁場のモニタリング調査を継続して情報を提供し、漁業生産活動に役立てるとともに、行政施策へ反映していく。
(文責: 有馬孝和)


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表1 調査結果一覧表