【背景・ねらい】

 都民に対する、川を守り育てる意識の啓発は、都内河川の環境保全や川魚の資源増殖に対して重要な役割を果たすと考えられます。そこで、島しょ農林水産総合センター及び奥多摩さかな養殖センターでは、奥多摩さかな養殖センターで生産されるマス類種苗を教材とした環境教育に取り組んでいます。

【成果の内容・特徴】

  • 平成25年度は、11月に西多摩地区の小学校(奥多摩町1校、青梅市4校、八王子2校、福生市5校、あきるの市2校)に対し、合計3,870粒の発眼卵(写真1)と、卵の育て方パンフレット(写真2)を配布しました。
  •  配布した発眼卵は、水温を低く保つために、冷蔵庫に入れたビンや観賞魚用水槽で育てられます(写真3~5)。また、育った稚魚は、学校毎に地元の河川や校内の池に放流されます。この間、飼育に関する多くの問い合わせがあり、電話や出張により対応しました。
  • 八王子市立恩方第二小学校や奥多摩町立氷川小学校に対しては、学校や漁協と連携して、学校周辺の河川におけるヤマメ産卵場造成の体験(写真6)や、奥多摩さかな養殖センターの社会科見学(写真7、8)等とリンクさせた活動を行いました。

【成果の活用と反映】  

 「ヤマメの里親教室」は、学校・漁協・地域ボランティア団体等を含めた組織で開催されるようになり、環境教育のツールとして地域に定着しています。また、産卵場造成や社会科見学等とリンクさせることにより、都や漁協による河川管理や資源増殖に対する理解を深める機会としても有効であると考えられます。

(滝尾 健二)

ヤマメを用いた教育活動