東京都島しょ農林水産総合センター 令和5年度 研究成果発表会 (水産部門)
平素より、関係各位の皆様におかれましては、当センターの業務運営に対しまして特段のご指導ご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
研究成果発表会は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、令和2年度は中止、令和3、4年度は動画配信のみでの開催となりましたが、今年度は対面とオンライン併用で開催いたしました。
この度、発表内容の動画をアップロードしましたので、ご覧いただければ幸いです。
これからも、皆様からのご意見も参考に、漁業者のためになる試験研究に取り組んでまいります。
東京都島しょ農林水産総合センター
所 長 中野 卓
※各画像をクリックすると発表内容の動画をご覧になれます。
(1) 広域的海藻類調査手法の開発
要 旨:広範囲における海藻の分布を調べるため、新たにドローンとソナーを活用した調査方法を開発しました。
ドローンでは、光を利用して海藻の面積を調べ、ソナーでは、音波を利用して海藻の長さを調べました。
また、面積と長さを掛け合わせることで、体積分布の推定も試みました。
こうした調査手法の適性を把握することで、効果的な調査が実施できるようになりました。
(2) 八丈島周辺海域におけるメダイ幼魚の加入と成長
要 旨:八丈島における底魚一本釣り漁業にて、重要な漁獲対象種であるメダイについて、表層付近に生息する幼魚期の生態を調べるために、採集調査と飼育実験を行いました。
その結果、メダイは、6月以降に20~30cmほどまで成長すると、表層から深場へと生活圏を移行すると推察されました。
(3) 島しょ部における2000年以降の漁獲変化
要 旨:漁業情報データベースに登録された水揚伝票238万件について2000年以降の変化について調べました。
漁獲された魚種やその量は、社会や環境にも影響を受け、変わっていました。
このため、次の20年に向けて何が必要か考察しました。
(4) 内湾資源環境調査からみたスズキの資源動態
要 旨:スズキは、東京内湾域の代表的な漁業対象魚種でゲームフィッシュとしての人気も高く、都民の関心が高い水産資源です。
今回、島しょセンターが調査した「湾奥への仔稚魚の来遊状況や海底付近の溶存酸素濃度の変動」と「東京湾のスズキの資源動態」との関連について、東京湾におけるスズキの漁獲動向をふまえて検討しました。
(5) 環境DNAを用いた多摩川本・支流の魚類相調査
要 旨:河川水に含まれるDNA(環境DNA)を解析することで、その付近に生息する魚類を知ることができます。
本研究では、まず環境DNAによって従来の採捕法と同等以上の魚類数を検出できることを確認しました。
さらに、環境DNA解析により、多摩川広域の魚類相調査を行いました。
今回は、魚類相調査の結果及び他の環境DNA活用事例についてもご紹介します。
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