平成30年度 主要成果集(水産)

平成30年度 主要成果集(水産)

大島事業所では、沖ノ鳥島から伊豆諸島に至る東京都海面の、水産資源から見た連続性を把握するため、漁業調査指導船「みやこ」による調査を行っています。

今回の調査では、本事業で初めて、カツオの仔魚が採集されました。4.2〜7.0mm の仔魚が採集されたことから、沖ノ鳥島周辺でカツオの産卵が 7 月に行われ、仔魚が成育していることが分かりました。

八丈島におけるカツオ曳縄漁の効率的な操業を支援するために、電子標識(水温、水深、体温、照度を記録)を用いたカツオの遊泳行動把握に取り組みました。

その結果、遊泳水深は主に 10m 以浅であることがわかりました。このことから、電子標識に記録された 10m 層の水温データと推定された遊泳位置における 10m 層の流速・塩分、海面高度 を用いて漁場予測モデルを作成し、海洋環境と漁獲尾数の関係を検討しました。

八丈島周辺海域において漁業調査指導船「たくなん」による試験操業で得た成熟雄・雌魚で人工授精を行い、キンメダイの卵発生・仔魚の生残率に水温が及ぼす影響を調べました。

水温が高い程孵化時間が短く、また発生が早いことが確認されました。また仔魚の生残には、水温18~22℃よりも24~30℃の方が適していることが示唆されました。

従来テングサ調査では、主に潜水により調査が行われてきましたが、調べられる範囲が限られるという問題点がありました。

そこで、より広範囲に資源状況を把握するため、ドローンに新たに開発したセンサーを搭載し、空からテングサを調べることに挑戦しました。

小笠原の重要な磯根資源であるアカイセエビについて、資源の状態を調べるために、漁獲物調査と標識放流試験を行いました。

その結果、アカイセエビ資源は減少傾向にあり、持続的利用のためには資源の現状を踏まえた資源管理が必要であるとわかりました。

奥多摩湖は都民の水がめとして多摩川を堰き止めて造られた人造湖です。都心から手軽にいける湖として都民に親しまれています。

センターでは、内水面魚類生息調査として、多摩川の本流・支流、奥多摩湖に定点をもうけ、魚類相の変化をモニタリングするため、3年ごとに調査を実施しています。今回は、平成30年度に奥多摩湖において実施した刺網を主体とした調査の結果を報告します。

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