令和5年度 主要成果集(水産)
小笠原諸島の重要な漁業対象種であるハマダイの高度有効利用に向けて、水揚げ情報の把握や、資源評価手法の開発、付加価値向上技術の開発等を行いました。その結果、成長式や産卵盛期などの資源評価に必要な情報や脂質含量の季節変動などの付加価値向上に繋がる知見が得 られました。
都の漁業者による自主的資源管理の対象となっている15種の水産資源について、漁獲量やCPUE (Catch Per Unit Effort)をもとに資源の水準や動向の分析を行いました。 また、この結果、ならびに、分布や成長等に関する生態学的特性や漁業に関する情報について簡潔にまとめた「資源評価票」を作成し、ホームページで公開しました。
伊豆諸島海域における海中への栄養塩供給(施肥)による藻場造成対策へ向けた基礎的な知見を収集するため、大島において水温と栄養塩濃度(溶存態窒素:DIN、リン酸態リン:PO4-P)のモニタリングを実施し、合わせてテングサ科海藻(オオブサ・マクサ)藻体の栄養状態(全有機炭素濃度(TOC)、全窒素濃度(T-N)、全リン濃度(T-P)を調査しました。その結果、大島周辺の栄養塩濃度変動を把握できたと共に、島の西側で栄養塩濃度が低い等の地域特性を把握できました。また、藻体の栄養状態からみたオオブサ・マクサの違いを把握できました。
八丈島周辺海域におけるカツオ曳縄漁の効率的な操業を支援するため、電子標識から推定したカツオの遊泳位置と海況データから漁場予測モデルを開発しました。また、漁業調査指導船の試験操業結果によるモデルの検証を実施し、精度の向上を図りました。そして、このモデルを用いたカツオ漁場予測図を作成し、漁業者に公開しました。
島しょ農林水産総合センターでは、多摩川の本流、支流、奥多摩湖において、魚類の分布状況の変化を把握するため、定期的なモニタリング調査を続けています。今回は、令和5年に実施した多摩川上流域と日原川での調査結果を報告します。
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