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カツオの漁模様  

 平成25年のカツオ漁模様と標識放流についてご紹介します。
 1~5月の八丈島のカツオ漁獲量は158.4トンでした。これは前年の122.7トンよりは増えていますが、過去10年平均とくらべると39%になり、1980年以降では近年同様の不漁傾向が続いています(図1)。また、漁船一隻当たりの漁獲量(CPUE)は97.8kg/隻となり、過去10年平均とくらべると78.7%で低い水準となっています。

図1 カツオ漁獲量とCPUEの推移

図1 カツオ漁獲量とCPUEの推移

標識放流

 カツオは赤道付近からいくつかのルートをたどって日本近海へ来遊することがわかっていますが、詳しい回遊経路などはわかっていません。そこで、八丈島周辺において標識放流調査を行っています。
 調査指導船「たくなん」で漁獲されたカツオの背鰭付近に、標識タグを打ち込んで放流します(写真1.2)。今年は4~5月に八丈島周辺で331尾に標識を付けて放流し、これまでに20尾が再捕されており、これは放流数の6.0%にあたります(図2)。
 これまでの調査で八丈島周辺に来遊したカツオは、小型でやせたものは北上し、大型で太ったものは八丈島周辺で滞留するか、もしくは南下をする、という回遊パターンがあることがわかっています。このような調査を継続し、カツオの来遊状況などを知る手がかりとしています。

 タグ

 写真1 

タグを取り付けたカツオ 

写真2

図2 放流地点と再捕地点

 図2 放流地点と再捕地点