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菊池レモンとは  

 昭和15年に八丈島中之郷の故菊池雄二氏が、ミクロネシアのテニヤン島から八丈島へ持ち帰った苗が始まりです。「サイパンレモン」「テニヤンレモン」「島レモン」と様々な呼ばれ方をしていますが、正式名称は導入者に因んで名づけられた「菊池レモン」です(写真1)。

 

完熟した菊池レモン

写真1 完熟した菊池レモン 

  果実の特徴と利用方法

     

「菊池レモン」はマイヤーレモン(レモンと他種柑橘類との交雑種)の仲間で、一般的な市販レモン(リスボン、ユーレカ等)とは大きさや食味が異なります。

当事業所の試験により、樹上で完熟させた果実の大きさは200g以上となり、適切な管理を行えば400gにも達することが分かりました(写真2)。
また、樹上完熟させると、果肉の酸味がおだやかになり、果皮の苦味がなくなるため、皮ごと食べることができます。サラダやデザート(写真3)をはじめ、肉や魚との相性も良いので、様々な料理に利用できます。また、果実大きくするために摘果した未熟な果実、皮を「レモン胡椒」などに利用できます。

市販品との違い 

写真2 市販品との比較(右菊池レモン)

 

 

栽培・生産状況

 

昭和48年に八丈島の原木から取り木した苗が父島に持ち込まれ、小笠原でも栽培されるようになりました。小笠原では、緑色果を「島レモン」の名で出荷しています。

八丈島での本格的な栽培は平成22年度から始まりました。現在の生産者(JAの生産部会員)数は28名、栽培面積は施設27アール(831坪)、露地80アール(2433坪)です。当事業所では、部会員へ配布した苗木の育成や、栽培技術の開発と生産部会への技術指導を行っています。

生育の早い施設では昨年度から収穫が始まり、樹上完熟の「菊池レモン」が島の内外に出荷されました。今年度には1トンの収穫量が見込まれており、12月下旬から販売開始予定です。

 

 

特産化に向けて

 

JA女性部と商工会女性部が協同し、今年度から「菊池レモンを核とした島おこし」の取り組みを始めました。加工品開発、飲食店や家庭向けの料理レシピ作り等を行い、「菊池レモン」の需要拡大と新たな観光客誘致を目指しています。

当事業所では、この取り組みに対して、加工品製造に関する助言や、地域おこしの専門家を招く等の支援を行っています。

レモンを使ったデザート

写真3 菊池レモンを使ったデザート