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ハマトビウオ漁について

 八丈島において、ハマトビウオは「春トビ」という通称名で親しまれ、町のシンボルにもなっています。本年のハマトビウオ漁は1月26日に漁が始まり、5月19日の水揚げを最後に約4ヶ月におよんだ漁が終わりました。

ハマトビウオはイワシと同様、資源量の変動が激しい魚種として知られています。八丈島でも1990年代に漁獲がほとんど皆無となった時期がありました。そのような背景もあり、東京都では2000年から漁獲量に上限を設定し、乱獲に陥らないよう注意を払っています。

 表1

本年の漁模様

 表1に2005年以降の八丈島におけるハマトビウオの漁獲尾数及び漁獲尾数上位3隻ののべ出漁隻数並びにCPUE(1隻1日当たりの漁獲尾数)を示しました。今年の漁獲尾数は2005年以降、最も少なく、10年平均の46%の値でした。のべ出漁隻数は129隻で10年平均を下回りました。また、CPUEも2005年以降、最も小さく、10年平均の48%の値でした。

次に2015年と過去10年平均の月別漁獲尾数の推移を図1に示しました。今年の水揚げは操業開始から4月上旬までは低調に推移し、それ以降、4月下旬にかけてやや伸びましたが、その後、漁期終了まで伸び悩みました。八丈島では黒潮に乗り、産卵のために回遊してくるハマトビウオを漁獲します。今年は全漁期を通じて黒潮が大きく蛇行し、八丈島の南を通過したことから、八丈島周辺の水温は平年より低くなり、ハマトビウオが八丈島に近づくことが出来なかったことが、低調な水揚げの一つの要因と推測しています。

図1