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アシタバの採種

  八丈島の特産品のひとつであるアシタバの栽培は、10~11月に種を播き、2年後の同じ時期に種とり(採種)をします。昆虫などが花粉を運んでくれるので人の手を掛けることなく種はできますが、多くの種を播いて栽培したい場合には効率的な採種が必要です。今回は、島しょ農林水産総合センター八丈事業所が行っているアシタバの採種法をご紹介します。

 

採種畑の管理

 アシタバは、花芽ができると新芽が地表面より一段高い位置で伸長してきます(図1)。34月に、半数以上の株にこの兆候が認められた畑を採種畑とします。採種畑では4月以降は収穫を止め、大きい株を残しながら株同士の間隔を約20cmに調整します(図2)。また、最終的な草丈が180200cmになるように十分な施肥を行います。ウドノメイガ等は花にも加害するので適宜防除を行います。

図1 図2

図1 花芽ができたアシタバ          図2 20cm間隔に調整したアシタバ畑

   赤丸は一段高い位置の新芽

  

採種と種子の貯蔵

 採種畑では8月に開花が始まり、9月下旬にはほぼ終了します。10~12月に、5割の種子が茶色に変わった時点で花房(図3)ごと採取し、2~3日天日干しし、その後陰干しすることで、採種は終わります。すぐに種を播かない場合は、2月の晴天時に1週間程度陰干しし、紙袋に乾燥剤とともに詰めて冷凍(-20℃)または冷蔵(5℃)することで、高い発芽率を維持できます。

図3

 図3 約5割の種子が茶色に変色した花房

 

農家のみなさまへメッセージ 

 今年の8月は平年の1/3程しか雨が降りませんでした。こうした天気が続くと、種があまり採れなくなるので、土が乾燥しないよう水分に注意し、たくさんの種が採れるようにしましょう。