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ハマトビウオ漁について

 八丈島において、ハマトビウオは「春トビ」という通称名で親しまれ、町のシンボルにもなっています。本年のハマトビウオ漁は2月10日に漁が始まり、5月13日の水揚げを最後に約4ヶ月におよんだ漁が終わりました。

 ハマトビウオはイワシと同様、資源量の変動が激しい魚種として知られています。八丈島でも1990年代に漁獲がほとんど皆無となった時期がありました。こうした背景もあり、東京都では2000年から漁獲量に上限を設定し、乱獲に陥らないよう都TAC制度を導入しています。

 

2018年の漁模様

 2008年以降の八丈島におけるハマトビウオの漁獲尾数・漁獲尾数上位3隻の延べ出漁隻数・CPUE(1隻1日当たりの漁獲尾数)を表1に示しました。2018年の漁獲尾数は2008年以降、2015年・2017年に次いで3番目に少なく、過去10年平均の59%の値でした。また、延べ出漁隻数は過去10年の中で最も少ない74隻でした。しかし、CPUEは4,846尾/隻・日で過去10年平均並みの値となりました。

 2018年と過去10年平均の月別漁獲尾数の推移を図1に示しました。八丈島では黒潮に乗り、産卵のために回遊してくるハマトビウオを漁獲します。2018年は漁期中に八丈島の近くを黒潮が通過していたことから、トビウオ漁にとって良い海況が続いていました。しかし、漁獲尾数は操業開始から3月中旬までは低調に推移しました。3月上旬から4月下旬にかけて漁獲尾数が大きく増加し、盛漁期を迎えましたが、5月に入ると漁獲尾数は伸び悩みました。2018年の漁獲尾数が少なかった要因として、盛漁期が例年よりも短く、また出漁隻数が少なかったことが考えられます。

 

表1 八丈島におけるハマトビウオ流し刺網漁における漁獲尾数と、漁獲尾数上位3隻の延べ出漁隻数およびCPUEの推移

表1

 

 図1

図1 2018年と過去10年平均の八丈島漁協所属漁船のハマトビウオの漁獲尾数の推移