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 八丈島に古くから栽培されるカンキツ類の一つに「菊池レモン」があります。これまでは島の厳しい気候のために安定生産できず、また、果実が緑色のうちに収穫することが多く利用方法が限られ、栽培や利用が広まりませんでした。そこで、八丈事業所では平成22年度から栽培技術の開発に取り組み、新たな魅力を引き出す栽培方法を見つけました。今シーズンからは「八丈フルーツレモン」の愛称でみなさんの食卓にお届けできるようになりました。

 

果皮が美味しいわけ

 近年、一躍人気を博すようになった「八丈フルーツレモン(図1)」、どこに魅力があるのでしょうか?
 果汁の酸味が穏やかで、果実が大きいことももちろんですが、今回は「果皮」について紹介します。

・苦みがありません
 レモンの果皮の白い部分には、「リモノイド」という苦み成分が含まれています。「八丈フルーツレモン」は樹上完熟(木になったまま完熟)させることで、果皮を食べても苦みを感じません。

・白い部分がほんのり甘いです
 樹上完熟させることにより、果皮に含まれる糖分が多くなります(図2)。

・白い部分が厚くてふわふわしています
 水やりを工夫することにより、美味しい果皮がふわふわとした食感になります(図3)。

図1 樹上で完熟した「八丈フルーツレモン」

図1 樹上で完熟した
「八丈フルーツレモン」


図2 「八丈フルーツレモン」と他県産マイヤーレモンの果皮に含まれる糖類の量の比較
図2 「八丈フルーツレモン」と他県産マイヤーレモンの
果皮に含まれる糖類の量の比較

 

図3 「八丈フルーツレモン」の厚くてふわふわな果皮
図3 「八丈フルーツレモン」の
厚くてふわふわな果皮(白い部分)

     

丸ごと食べて健康に!

 レモンの果皮は果実全体のビタミンCの半分を含み、成人病予防に効果があるポリフェノール類も豊富です。「八丈フルーツレモン」は果皮が美味しいので、サラダやデザートに入れ、たくさん食べることができます。農協女性部のレシピ(2kg化粧箱に同封)を使って、「八丈フルーツレモン」を丸ごとお楽しみください!