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八丈島の海の様子は?

  八丈事業所では、八丈島神湊港内において、毎日午前9時に水温観測を行っています。
下のグラフは2010年6~8月の観測水温と平年値*を示したものです。水温は、一時的に平年値を下回る日があったものの、概ね高めの水温で推移しました。
  8月31日には、8月としては観測開始以来最高の29.8℃を記録しました。また、8月の平均水温は、観測を開始した1928年以降2番目に高い28.45℃を記録しました。

                           ※平年値:過去30年(1970~2000年)の平均水温

水温観測結果

図1 水温観測結果

海水温変化の要因は!

 八丈島周辺の海水温は、黒潮の影響を大きく受けて変化します。水温は、黒潮の外側は暖かく、内側は冷たいため、八丈島では、黒潮が八丈島の南を流れ、内側になると “低め傾向”となり、北を流れ外側になると “高め傾向”となります(図2)。
今年の夏は、黒潮が八丈島の北を流れていたため、高水温が続きました。また、台風の発生が少なく、好天が続いたことも高水温になった要因と思われます。

黒潮と水温分布

図2 黒潮と水温分布

高水温による影響は?

 気象庁によると、今年の夏(6月08月)の平均気温は、平年に比べて1.64℃高く、観測を開始した1898年以降、最も高かったとされています。
 八丈島の水温も高めで推移し、サンゴ白化現象が確認されています(写真1)。また、海藻や貝類の減少などもみられており、海中の状況は以前と大きく変わっています。八丈事業所では、今後も環境と水産生物との影響について調査を続けていきます。

白化したサンゴ

写真1 白化したサンゴ