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  ハマトビウオ漁について

  八丈島において、ハマトビウオは「春トビ」という通称名で親しまれ、町のシンボルにもなっています。本年のハマトビウオ漁は1月29日に漁が始まり、5月13日の水揚げを最後に約4ヶ月におよんだ漁が終わりました。

 ハマトビウオはイワシと同様、資源量の変動が激しい魚種として知られています。八丈島でも1990年代に漁獲がほとんど皆無となった時期がありました。こうした背景もあり、東京都では2000年から漁獲量に上限を設定し、乱獲に陥らないよう都TAC制度を導入しています。

 

 表1

 

本年の漁模様

表1に2006年以降の八丈島におけるハマトビウオの漁獲尾数及び漁獲尾数上位3隻ののべ出漁隻数並びにCPUE(1隻1日当たりの漁獲尾数)を示しました。今年の漁獲尾数は2006年以降、昨年に次いで2番目に少なく、10年平均の71%の値でした。また、のべ出漁隻数は過去10年の中で最も少ない101隻でした。CPUEは2006年以降、3番目に低い値で、10年平均の94%の値でした。

 次に2016年と10年平均の月別漁獲尾数の推移を図1に示しました。八丈島では黒潮に乗り、産卵のために回遊してくるハマトビウオを漁獲します。今年は全漁期を通じて八丈島の近くを黒潮が通過していたことから、トビウオ漁にとって良い状況が続いていました。しかし、トビウオの水揚げは操業開始から2月下旬までは低調に推移しました。3月上旬から4月中旬にかけて伸びましたが、その後、漁期終了までは伸び悩みました。今年はハマトビウオの八丈島周辺への回遊が遅く、出漁隻数が少なかったことが、漁獲尾数の少なかった要因の一つと推測しています。

  

図1 

図1 2016年と過去10年平均の八丈島漁況所属漁船のハマトビウオ漁獲尾数の推移