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カツオは何処へ ~大不漁の兆候見られる~  

 例年、八丈島で2月後半から操業しているカツオ曳縄漁ですが、今年は『カツオが釣れない・・・』『カツオが見えない・・・』という声が漁業者から上がっています。そこで、平成26年の漁期も中盤を迎え、カツオ漁模様と今後の⾒込みについてご紹介します。

 

 平成26年の漁模様 

 平成26年1月~3月までの八丈島でのカツオ漁獲量は7.6トンとなり、過去10年平均の137.5トンに対して5%、過去最低の水揚量を記録した平成21年の9.7トンに対して79%となっています(図1)。
 また、主漁期である3月の操業船1日1隻あたりの漁獲量(CPUE)は、28.5kg/日隻となり、過去10 年平均の103.5kg/日隻に対して27%、過去最低を記録した平成24 年の35.3kg/日隻に対して80%となっています(図2)。
 よって、今年のカツオ曳縄漁は不漁年の兆候が見られています。

図1 八丈島における過去20年間(1995-2014)の1~3月までのカツオ水揚量

図1 八丈島における過去20年間(1995-2014)の1~3月までのカツオ水揚量 

 

図2 八丈島カツオ曳縄漁操業船における過去20年間(1995-2014)の1~3月までの1日1隻当たり漁獲量(CPUE)の推移

図2 八丈島カツオ曳縄漁操業船における過去20年間(1995-2014)の1~3月までの1日1隻当たり漁獲量(CPUE)の推移

 

全国的な不漁傾向

 この不漁傾向は、八丈島だけでなく、太平洋沿岸でカツオ曳縄漁を操業している和歌山県、高知県、千葉県なども同様に漁模様が悪く、各県ともに過去最低に近い水揚量となっており、全国各地で同時発生的に不漁となっています。

 

今後の見込み

 例年であれば、4月にカツオ竿釣船は小笠原近海で魚体1.5kg物を主体に操業しますが、今年はさらに南の沖ノ鳥島付近で7~10kgサイズのカツオを中心に操業しています。このように、南方の漁場で小型魚の漁獲が少ないことから、平成26年のカツオの北上群が少ないことが懸念されます。よって、漁期後半に当たる4~5月頃の漁獲も少なく、今漁期は引き続き不漁傾向が続く可能性が高くなっています。
 今後も、八丈島での漁獲状況を把握し、沿岸域でのカツオの漁獲量について国や他県との連携を深めて情報収集に努めていきます。