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パッションフルーツの不思議

  

 夏になると、八丈島の店先に並ぶ紫色の果実、パッションフルーツ。切るとオレンジの果肉が鮮やかで南国の香りが部屋中にただよい、食べると爽やかな酸味と甘さが口の中に広がります。現在、みなさんが口にしているパッションフルーツは、「大きいけれど自分の花粉では受粉出来ない、酸味が強い」黄色い品種と、「小さいけれど自分の花粉で受粉出来、甘味が強い」紫の品種をかけ合せた、「中ぐらいの大きさで自分の花粉で受粉出来、甘味と酸味のバランスが良い」品種「台農1号」です。

パッションフルーツ

           夏の特産品「パッションフルーツ」

 

果肉がたっぷり入っているのは・・・

  

ミツバチなどが少ない八丈島では、パッションフルーツは人工受粉(人間が花粉を雌しべの先に付ける)を行わないと種子が出来ず、その周囲を取り巻くオレンジ色の果肉も出来ません。果肉がたっぷり入っているのは、生産者さんが一花、一花、丁寧に受粉を行ったからです。

受粉作業は、長い時間真上を見上げ、バンザイの姿勢を長時間続ける、大変苦しい作業です。

●受粉しても実がならない花があるの?

 正常な花はめしべが倒れますが、めしべが立ち上がったままの「奇形花」が咲くことがあります。この形の花は、人工受粉しても実がなりません。

●なぜ、奇形花になるの?

 実がたくさん着いている時や、水や肥料が足りない時、日照不足や急に気温が低下した時に多く発生します。樹がエネルギー(光合成生産物)不足で、これ以上の果実は育てられないと判断して、実の数を調節していると推測されます。

●奇形花で収穫量は減っちゃうの?

 生産者さんが一生懸命管理し、受粉しても、天候が不順な年は2~3割の花が奇形花になり、収穫量が減ります。

 

正常な花 奇形花

   正常な花(めしべが倒れている)  奇形花(めしべが立ち上がったまま倒れない)

 

お日様たっぷり、愛情たっぷり、ビタミンたっぷり!

八丈島の太陽をたっぷりあび、生産者さんが愛情をたっぷり注いで実ったパッションフルーツ。動脈硬化や心筋梗塞を予防し免疫力も高めるβカロチン、またビタミンCをたっぷり含んでいます。パッションフルーツを食べて残暑を乗り切りましょう!