八丈事業所トピックスNo.24 パッションフルーツの不思議
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パッションフルーツの不思議
夏になると、八丈島の店先に並ぶ紫色の果実、パッションフルーツ。切るとオレンジの果肉が鮮やかで南国の香りが部屋中にただよい、食べると爽やかな酸味と甘さが口の中に広がります。現在、みなさんが口にしているパッションフルーツは、「大きいけれど自分の花粉では受粉出来ない、酸味が強い」黄色い品種と、「小さいけれど自分の花粉で受粉出来、甘味が強い」紫の品種をかけ合せた、「中ぐらいの大きさで自分の花粉で受粉出来、甘味と酸味のバランスが良い」品種「台農1号」です。
夏の特産品「パッションフルーツ」
果肉がたっぷり入っているのは・・・
ミツバチなどが少ない八丈島では、パッションフルーツは人工受粉(人間が花粉を雌しべの先に付ける)を行わないと種子が出来ず、その周囲を取り巻くオレンジ色の果肉も出来ません。果肉がたっぷり入っているのは、生産者さんが一花、一花、丁寧に受粉を行ったからです。
受粉作業は、長い時間真上を見上げ、バンザイの姿勢を長時間続ける、大変苦しい作業です。
●受粉しても実がならない花があるの?
正常な花はめしべが倒れますが、めしべが立ち上がったままの「奇形花」が咲くことがあります。この形の花は、人工受粉しても実がなりません。
●なぜ、奇形花になるの?
実がたくさん着いている時や、水や肥料が足りない時、日照不足や急に気温が低下した時に多く発生します。樹がエネルギー(光合成生産物)不足で、これ以上の果実は育てられないと判断して、実の数を調節していると推測されます。
●奇形花で収穫量は減っちゃうの?
生産者さんが一生懸命管理し、受粉しても、天候が不順な年は2~3割の花が奇形花になり、収穫量が減ります。
正常な花(めしべが倒れている) 奇形花(めしべが立ち上がったまま倒れない)