八丈事業所トピックスNo.36 島内産野菜の出荷拡大の支援
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島内産野菜の流通
八丈島で流通している島内産野菜や果物の多くは、農家がJAに出荷し小売店がセリで落札したものです。トマトや里芋などは出荷量が多く、入手は容易です。しかし、トウモロコシやパプリカのように人気が高いものの出荷量が少なく、入手が難しい品目が多数あります。また、八丈町の給食センターは、食育や地産地消、鮮度から島内産野菜や果物を使いたいと考えていますが、現状の使用量は1割未満です。そこで、八丈事業所では島内産野菜の出荷拡大を支援するため、栽培技術を確立する試験を行っています。
栽培試験
例としてトウモロコシを挙げます。八丈島でのトウモロコシ栽培で問題となるのが強風です。そこで、強風対策として種を播いた後に60cmの高さのトンネルを設置することにしました(図1)。トンネルを設置した区としない区で生育を比較したところ、トンネルを設置した区では生育初期の風害を防ぐことができました。トンネルを外した後も、土寄せして根元に土を被せれば順調に生育し、美味しいトウモロコシが収穫できました。
写真1 トンネルを設置した区(奥)としない区(手前)
給食での利用
八丈町の食育や地産地消を支援するため、栽培試験で収穫したパプリカを給食センターに提供しました。一度に赤と黄色の果実を合わせて10kg使い、大鍋で煮込まれた様子が図2(上)です。図2(下)は、八丈島の海で獲れたムロアジと一緒に調理されました。苦味が無く、甘いパプリカは、ピーマンが苦手な子どもでも食べることができるため、小・中学生に大好評でした。こういった感想を農家に伝え、パプリカの栽培を普及していきます。今後、様々な栽培試験を行い、島内産野菜の出荷拡大に向けた取り組みを支援していきます。
写真2 栽培試験で作ったパプリカを使った給食
(左)キャベツと豚肉の煮込み (右)ムロアジの酢豚風
