サザエ
標準和名
サザエ学名
Turbo cornutus Lightfoot
地方名
特になし分類
古腹足目、サザエ科、サザエ属形態
貝殻は円錐形で厚みがあり、周縁には棘がある。棘の数や長さは生息環境や個体による変異が大きく、棘が全くないものもある。ふたは石灰質で厚みがあり、外面上に多数の小さな棘がある。殻高10cmに達する。分布
太平洋側は房総半島付近から九州、日本海側では北海道南部から九州にかけての、外洋性の岩礁域に分布する。東京の海域では、伊豆諸島に分布するが、利島以南では少ない。生態
主に水深10m以浅の岩礁域に生息する。夜行性で、昼間は岩影などに潜んでいるが、岩上にいることも多い。藻食性で、様々な海藻を食べる。産卵期は7月から9月。殻高5cmに成長するのに2年から3年かかる。資源の利用と保全
伊豆諸島では、主に素潜りで漁獲され、資源保護のために、禁漁期の設定や、殻高制限、また、2000年からは、人工種苗の放流事業もおこなわれている。昔から資源量の変動が大きく、伊豆大島における近年の漁獲量は、1998年から2000年には220トン前後であったが、2001年には約110トンと半減し、その後の2年間も回復のきざしが見られない状況にある。調理法
独特の磯の香りがあり美味。壷焼き、刺身、酢の物などに調理される。伊豆諸島では、観光シーズンになると船舶ターミナル付近に屋台が並び、サザエ壺焼きの美味しそうな匂いが立ちこめる。その他の磯で漁獲される貝類
伊豆諸島の磯で漁獲される貝類としては、サザエとアワビが代表的であるが、近年は、バテイラ Omphlius pfeifferi pfeifferi (Philippi) (地方名:シッタカ)やクボガイ Chlorostoma lischkei Tapparone-Canefri (地方名:メッカリ、イソダマ)など、かつては自家消費される程度であった、殻高5cm以下の小型の貝類も漁獲されている。これらは塩茹でにしたり、味噌汁の具などとして旅館や民宿などで利用されている。![]() 水揚げされたサザエ |
![]() サザエの産卵 |
クボガイ
