八丈事業所トピックス№41 2019年のキンメダイ漁模様

八丈事業所トピックス№41 2019年のキンメダイ漁模様

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2019年の漁模様

 八丈島において、主要漁獲対象種であるキンメダイの漁模様について報告いたします。八丈島におけるキンメダイ

漁獲量の推移を振り返ると、2013年に初めて400トンを超えてから、20132016年と400トン台で推移し、2017

500トンを超え、以後2018年までは500トン台で推移しました。しかし、2019年は378トンとなり、7年ぶりに400

トンを下回る漁獲量でした(図1)。漁業の効率を示すCPUEについても2019年は138kg/1航海1隻、107kg/11

で、1航海あたりでは過去13番目の値で2008年と同程度となりました。また、1日あたりでは2007年以降最も低く

なりました(図2)。

図1.png 

      図1 八丈島におけるキンメダイの漁獲量

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 図2 八丈島におけるキンメダイ漁のCPUE年変動

黒潮大蛇行の影響

 当センターでは、2019年における漁獲量の減少は黒潮の大蛇行に影響を受けていると考えています。2017年8月

から現在まで黒潮の大蛇行が継続していますが、20172018年は八丈島が黒潮流路の外側となったり、内側となっ

たりして、流れの変化が観察されました。一方、2019年は八丈島が黒潮流路の外側である状態が続き、流れの変化

が少ない状態でした(図3)。キンメダイは生息場所である海底付近の潮流が適度に流れると、餌食いが良くなるこ

とが知られています。2019年は上記のように、長期間、黒潮流路の外側である状態が継続し、漁場周辺の流れの変

化が少なく、漁場の海底付近の潮流が緩やかな状態が継続したことが、キンメダイ漁獲量の減少につながった一つの

要因であると考えられます。

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№41図3付属.png

                          図3 黒潮流路の推移

今後の海況の見通し

 20191223日に国立研究開発法人水産研究・教育機構により公表された長期魚海況予報によると、今後少なく

とも6月までは大蛇行が継続する見通しです。そのため、まだしばらくはキンメダイ漁には厳しい海況が続くと予測

されます。

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