八丈事業所トピック№45 2021年のハマトビウオ漁

八丈事業所トピック№45 2021年のハマトビウオ漁

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ハマトビウオ漁について

八丈島において、ハマトビウオは「春トビ」という通称名で親しまれ、町のシンボルにもなっています。2021年のハマトビウオ漁は4月4日に始まり、5月15日の水揚げを最後に約1ヶ月におよんだ漁が終わりました。

ハマトビウオはマイワシのように、資源量の変動が激しい魚種として知られています。八丈島でも1990年代には、漁獲が皆無となった時期がありました。同様に、昨年の総漁獲尾数は821尾と低調に終わったため、今年もほとんど漁獲がない厳しい漁期になることが予想されました。しかし、難しい条件の中、10万尾程度の漁獲が得られました。

図1.png

2021年の漁模様

八丈島におけるハマトビウオの漁獲尾数・漁獲尾数上位3隻の延べ出漁隻数・CPUE(1隻1日当たりの漁獲尾数)を表1に示しました。2021年の漁獲尾数は約10万尾で、2011年以降では2020年に次いで2番目に少なく、過去10年平均の23%の値でした。延べ出漁隻数およびCPUEは過去10年平均の半分程度の49隻および2,098尾/隻・日となりました。

2021年と過去10年の漁獲尾数の推移を図1に示しました。今年は、例年より1ヶ月以上遅い4月上旬から操業が始まり、4月中に今期の大部分を占める漁獲があり、例年と同様に5月上旬で操業が終了しました。

2021年の漁獲尾数が少なかった要因として、魚群の来遊期間が約1ヶ月と例年よりも短い上、来遊した魚群が低密度であったことが考えられます。また、数年前から漁獲量が減少していることから、来年以降の状況についても、注意深く見守る必要があります。

図表1.png

図1 2021年から過去10年のハマトビウオ漁獲尾数の推移

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