八丈事業所トピック№44 カタツムリによる農業被害とその防除

八丈事業所トピック№44 カタツムリによる農業被害とその防除

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カタツムリによる農業被害

雨が続く時期になると、どこからともなく現れるカタツムリ。彼らは普段、落ち葉や雑草、コケといったものを食べていますが、時に丹精に育てられた農作物も食害します。その食性は幅広く、八丈島ではアシタバやセロリ、キャベツといった野菜類から、花卉類、果樹類と、極めて多くの農作物で被害が認められています。

農業被害を及ぼす代表的な種類

八丈島にはたくさんの種類のカタツムリが生息しています。このうち、圃場周辺に生息し、農作物を食害する主要種は、図2の2種です。

〇ウスカワマイマイ

殻径20mmほどの中型種。殻が極めて薄く、軟体の模様が透けて見える点が特徴です。圃場周囲で最も多く見られる種類です。

〇オナジマイマイモドキ

殻径14mmほどでやや小型。殻の周縁部に弱い角(カド)がある点が特徴です。八丈島の在来種です。

カタツムリの防除方法

カタツムリの防除には、メタアルデヒド剤やリン酸第二鉄剤などの誘殺剤が効果的です。これらの剤は匂いでカタツムリをおびき寄せ、剤を食べる、あるいは接触することによって死に至らしめます。

これらの剤をより効果的に使うポイントは、"なるべく広範囲に施用すること"です。カタツムリは移動性が低いため、彼らにとってどんなにいい匂いがしても長距離を移動することはありません。そのため圃場内の一点に施用するよりも、圃場全体に施用し、なるべく剤の近くをカタツムリが通過するようにしたほうがより高い防除効果が期待されます。

またカタツムリは銅イオンが苦手なことで知られています。カンキツでは、株元に銅剤(商品名:ICボルドー66D)を散布することによって、カタツムリを忌避することが可能です(令和2年9月現在)。

カタツムリに関連する農薬の中には、近年登録内容が変更したものも多くあります。実際に使用する際には、各農薬の登録状況を確認のうえご使用ください。

1.jpg図1 ルスカスにおけるカタツムリ被害

2.jpg図2 左:ウスカワマイマイ 右:オナジマイマイモドキ

 

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