珍魚採集報告第224号 タコブネ

珍魚採集報告第224号 タコブネ

※ 本種は、平成30年に採集されたものですが、ホームページに未記載であったため、あらためて掲載します。

PC070713.JPG

1 種名 頭足綱 八腕形目 カイダコ科 タコブネ Argonauta hians (Lightfoot, 1786)

2 測定結果 殻部 :殻長35.44㎜、殻幅22.19㎜、重量1.0g

軟体部:全長92.72㎜、外套長32.09㎜、重量5.6g

3 採集日 平成301130

4 採集場所 大島南部海岸

5 採集方法 たもすくい

6 採集者 岡本 公秀 氏

 本種はメスのみが貝殻を作り、この内部で卵を孵化まで保育する。メスの第一腕は膜状に

広がっており、ここから貝殻を分泌する。オスは矮小でメスの1/20くらいの大きさとなる。

オスの左第三腕は交接腕で長く伸び、交接の際にメスの外套膜内で切り離される。オスの採

集例は少なく、メスに残留した交接腕片のみが度々見つかる。表層で浮遊生活をしており、

広く世界の熱帯・亜熱帯の海洋に分布する。日本では太平洋、日本海の暖海域で見つかって

いる。本科には本種の他にアオイガイ、チヂミタコブネの2種が知られている。

参考文献:軟体動物学概説(上巻)波部忠重ら編 サイエンティスト社出版

     日本近海産貝類図鑑 奥谷敏明編 東海大学出版

     新日本動物図鑑 岡田要編 北隆館出版

PDF版はこちら珍魚報告第224号タコブネ.pdf

このカテゴリー内の他のページ