珍魚採集報告第230号 ワルビスイカの仲間

珍魚採集報告第230号 ワルビスイカの仲間

※ 本種は、平成29年に採集されたものですが、ホームページ未記載であったため、あらためて掲載します。

PC050829.JPGワルビスイカの仲間画像.jpgDSC_0048.JPG

1 種名 Walvisteuthis属の一種  Walvisteuthis sp.

ツツイカ目ツメイカ科Walvisteuthis

2 測定結果 外套長:8.8cm、体重:50.5

3 採集日 平成291123

4 採集場所 三宅島 間鼻沖 水深500m

5 採集方法 キンメダイ釣り

6 採集者 大洋丸

   7 備  考 鰭は丸く幅広で、鰭幅は外套長の82%。外套膜は太く、外套幅は外套長の45%。

  触腕の掌部に頑丈で長い鉤を持つ。外見からは発光器らしきものは見当たらない。外套膜

  背部正中線は隆起する。これら特徴からツメイカ科のWalvisteuthis属と思われる。

  Walvisteuthis属の仲間は世界で4種が知られている。ワルビスイカWalvisteuthis virilisは南西

  大西洋(ワルビス海嶺)および南東大西洋の水深約1000mで記録がある(上記特徴から本種は

  合致しない)。ランクレールツメイカダマシW. rancureliは南西太平洋~インド洋南部で知ら

  れ、稚イカが木星海山(沖ノ鳥島北)で記録されている。W. youngorumはハワイ周辺でのみ、

  W. jeremiahiはメキシコ湾および湾流流域の北西大西洋でのみ記録がある。W. youngorum

  とW. jeremiahiには和名がない。

本個体が、どの種にあたるのか、どの種にもあたらないのか、更なる検討が必要である。

参考:新編世界イカ図鑑 奥谷喬司著 東海大学出版会

   Tree of Life Web Project:http://tolweb.org

PDF版はこちら珍魚報告第230ワルビスイカの仲間 .pdf

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