台風18、19号の影響(大島、三宅島)    

 5~6日にかけて台風18号の接近により伊豆諸島一帯が暴風雨を受けた。大島では、被覆ビニールの一部破損や骨組み損傷ハウスの被害とともに塩による被害が発生した。アシタバや播種直後の露地のキヌサヤエンドウの被害が多く、今後の栽培に影響が出てくることが予想される。  

 三宅島では一部の地区でアシタバの潮風害、サトイモ、サツマイモ、ナス、ピーマンの倒伏や葉の裂けが見られたが、被害程度は軽かった。御蔵島ではダイコン等の苗の一部が被害を受けたが、被害程度は軽かった。パイプハウス等の施設被害は見られなかった。

 また14日未明には台風19号が接近し、三宅島では一部の地区のアシタバ、サトイモの倒伏が見られたが、被害程度は軽微であった。一方、数棟のパイプハウスでビニールの裂けが発生した。御蔵島では特段の被害は見られなかった。普及センターでは、台風通過後の対応(水洗い、殺菌剤の散布)を徹底するよう指導した。 

 

          アシタバの潮風害(三宅)          施設の被害(大島)                  

アメリカイモの苗による収量の違いがはっきりと(新島)        

 現在、アメリカイモの苗は個人の農家で自家採取されているが、選別基準はなく、貯蔵芋の中から腐らなかったイモを種イモとして利用している。そのため、本年は新芽の状況を見て、明らかに特性の異なるイモから採取した苗を栽培し、10月中旬に3株づつ掘り取ってイモの状態を観察した。その結果、写真の通り、種イモによってイモの付き方、大きさがかなり異なることが分かった。今後、収量の高いイモから種イモをとる選別作業を行うことが大切であると農家に説明を行っていく。

  

アメリカイモの収量調査(左:収量多、右:収量少)

ルスカス共撰共販出荷組合での病害虫防除講習会、土壌診断報告会の開催(八丈島)       

 15日、普及指導センターはルスカス共撰共販出荷組合を対象にカイガラムシ、アブラムシ、スリップス等の病害虫防除講習会ならびに土壌診断結果報告会を開催し、部会員11名が参加した。近年、カイガラムシの発生が多く、散布剤だけでは完全に防除するのが難しいため、粒剤との併用を指導した。薬害の出ない農薬や農薬の散布時期について部会員で情報交換でき、栽培技術の向上につながった。