大島事業所トピックNo.344 「骨まで食べられるサバフィレ」学校給食への提供がはじまる
「骨まで食べられるサバフィレ」学校給食への提供がはじまる
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水揚げが減少する中、利用されない魚が・・・
伊豆・小笠原諸島における水産物の生産金額は資源の減少等に伴い、過去20年間で約1/2にまで減少しています。一方、島には内地へ出荷出来ず、利用されていない魚(=未利用魚)があります。何故、そのような魚が存在するのでしょうか?
各島から東京に出荷するためには、キロあたり200~300円ほどの経費(運賃・容器・氷代等)がかります。市場価格がそれを下回る魚の場合、出荷すると赤字になってしまうため、これまで、市場に出回ることはありませんでした。
未利用魚を活用するためには
大島事業所では、平成24年から3年間の予定で、未利用魚の活用と収益向上を目指す試験に取り組んでいます。
昨年度は、ゴマサバを使った「骨まで食べられるサバフィレ」を試作しました。もともと、魚の骨は硬くて食べることはできませんが、高温処理することで、骨まで食べられるようにしました。
図1 高温処理が可能な飽和蒸気調理器と製品化された
「骨まで食べられるサビフィレ」1kg入パック
そのため、カルシウムが生の切り身と比べて35倍(500mg/100g)に増え、日常生活で不足しがちなカルシウムを、容易に補給することができるようになりました。
この技術をもちい、今年4月から伊豆大島漁業協同組合では、定置網で水揚げされた新鮮なゴマサバを使用した製品の製造を開始しています。
大島町栄養士会の協力により実現
これまで大島町栄養士会(白土会長)では、毎年「食育料理教室」を開催するなど、積極的に地産地消の普及に取り組んでこられました。
この程、栄養士会のご協力により、今年5月から大島町給食センターと都立大島高校において「骨まで食べられるサバフィレ」が、学校給食の食材として採用されました。
大島事業所では、引き続き栄養士会や漁業協同組合との連携を図りながら、他の未利用魚についても、活用方法の検討を進めていきます。
図2「骨まで食べられるサバフィレ」を利用した6月27日の給食
(古代米のご飯、なめこの味噌汁、サバのおろしソースかけ、ゴーヤチャンプル)
