黒潮は小規模なB型・C型で変動 7月にはB型

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平成29年4~7月の海況予報が、3月24日に水産庁より発表されましたので、お知らせします。

 

海況の現況   

黒潮は、1月上旬頃から遠州灘沖での蛇行が発達しB型になりました。中旬には、黒潮の北流部から伊豆諸島海域へ暖水が波及しました。遠州灘沖の蛇行は徐々に東進し、下旬にはC型となりました。その後は、小規模な変動はあるものの概ねC型で経過しました。現在、黒潮は八丈島の南を蛇行しながら東進し、房総半島沖を離岸して東へ流去しています。

図1 関東東海海況速報

 図1 関東・東海海況速報(平成29 3月22日)

 

海況予測(平成29年4~7月) 

 今後も、八丈島の南で蛇行するC型が継続する見込みです。4月後半以降は、小さな蛇行の東進によって、小規模なB型・C型で変動する見込みです。2月中旬頃から種子島沖に小蛇行が形成されており、3月下旬には都井岬沖に達すると予想されます。この小蛇行が東進し、7月にB型流路となる見込みです。黒潮は、今後も小規模なB型・C型で変動し、八丈島付近を流れる見込みです。

  以上の結果、黒潮は「4月前半はC型となる。以降、6月末まで小規模なB型・C型で変動する。7月にB型となる。」という予測になりました。

伊豆諸島北部海域の海況見通し

 伊豆諸島北部海域の沿岸水温は、B型時には伊豆諸島付近を北流する黒潮の影響によって「平年並」~「高め」、C型へ移行した後は、黒潮内側の冷水域に覆われるために「平年並」~「低め」となることが推測されます。今回の予報では、4月~6月は小規模なB型・C型で変動することが予測されています。このため、黒潮流路の小規模な変動による暖水波及の発生が予測されます。よって予測期間中は概ね「平年並」~「高め」で経過し、一時的に「低め」となることが予測されます。

図2 黒潮流路の代表的なパターン

図2 黒潮流路の代表的なパターン

  

A型:八丈島の北を通過(32°N以南まで蛇行)

B型:八丈島の北を通過(蛇行が32° N~33 N)

C型:八丈島の南を通過

D・N型:八丈島の北を通過(流路の南端が33N以北)

(注:海上保安庁海洋情報部HPより転載)