黒潮は、N型基調で推移し、10月以降B・C型流路

  平成23年 7月27、28日に神奈川県横浜市において漁海況予報会議が開催され、平成23年8~12月の海況予測が水産庁より発表されましたのでお知らせします。

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海況の現況

 5月上旬、黒潮は遠州灘沖北緯33度付近から御蔵島付近を通過するN型からB型を経て、5月下旬には一時的なC型になった後、八丈島付近を流れるN型に再び移行しました。その後、伊豆諸島の冷水域が房総半島沖に東進して6月下旬にD型、7月には冷水域の縮小にともないN型に移行しました。

 現在、黒潮は、遠州灘北緯33度付近から三宅島・御蔵島付近を通過して房総半島沖を北東に流れ、引き続きN型で経過しています。 

図1関東・東海海況速報 

図1  関東・東海海況速報
(平成23年 8月2日)

海況予測(平成23年8~12月)

 黒潮は、8~9月はN型基調、10月以降、B・C型で推移する見込みで、黒潮の変動に伴い、内側域への暖水波及も予想されます。

 現在、黒潮は種子島、都井岬沖でやや離岸していますが、都井岬沖では8月後半と11月に小蛇行が形成される模様です。8月の小蛇行は、9~10月に四国沖を通過し、その後、遠州灘沖に到達してB・C型の流型変化をもたらすことが予想されます。

 

伊豆諸島北部海域の海況見通し

 伊豆諸島北部海域は、現在のところ、黒潮の内側域に入っています。今後、黒潮の変動に伴い、内側域への暖水波及も予想されます。

 伊豆諸島北部海域の水温は「平年並み」~「低め」で推移し、暖水波及時には「高め」になる模様です。

図2 黒潮流路の代表的なパターン

 図2 黒潮流路の代表的なパターン
A型:遠州灘沖の冷水塊の規模が大きく、長期間継続
B型:冷水塊が遠州灘沖に存在、A型ほど大きくない
C型:冷水塊は伊豆諸島の東西にまたがって存在
D型:冷水塊が伊豆諸島の東側に存在
N型:本州に平行に直進
(注:海上保安庁海洋情報部HPより転載)