平成27年度 農業部門 成績発表会の開催報告

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 4月28日、農林合同庁舎にて成績発表会を開催し、試験研究の成績発表と現在の取組状況を紹介しました。当日は28名(うち生産者17名、他11名)にご参加いただき、研究の基幹品目であるブバルディア、アシタバ、オオサヤエンドウの3品目を中心に発表を行いました。

  

  発表の概要(抜粋)

① ブバルディア改良培養法由来苗の生産力検定

  ブバルディアは挿し木繁殖のため、ウイルスに感染していないことが重要です。これまで都の農林総合研究センターによりこの苗を効率的に作出できる培養法が開発されたことから、大島事業所で生産力検定を行いました。結果、品種により収量等に差があることがわかりました。

② アシタバ「東京スカーレット」の生育特性

 アシタバに含まれる「カルコン」という成分には、抗菌作用や中性脂肪低下作用等の機能があります。これまで当事業所にて慣行系統の約1.5倍のカルコンを含むアシタバを選抜し、品種名「東京スカーレット」として品種登録出願しました。今回、この系統の採種特性等を調査し、圃場1aから3年目で約9a栽培できる量の採種ができることがわかりました。

写真1-1 写真1-2

写真1「東京スカーレット」(左)と慣行系統(右)

③ 在来オオサヤエンドウ有料系統の選抜

  大島の在来種は市販品種に比べて、作業性がよく、莢の形状や食味等に優れるといわれています。しかし生育のバラツキ等があるため、優良系統の選抜を行い、3系統まで絞りました。

写真2

写真2 師範品種と在来

 

参加者からの質問例 

Q ブバルディアの挿し木方法は?

A 穂をバーミキュライト培地に挿して、高湿度空間で十分発根するまで管理します。

Q アシタバの種子はばらまきか?

A チェーンポットで育苗して定植しています。圃場の利用効率が良く、欠株の際に補植できるため、リスクを少なくできます。

Q アシタバのカルコン含有量に季節変動は?

A 季節変動があり、夏に多い傾向がありますが、

詳細については未解明なところもあるため、現在、各月ごとの含有量を調査しています。

写真3

写真3 ブバルディア圃場内にて説明

 

参加者のアンケート結果から(抜粋)  

※ アンケート回収24枚(回収率85.7%)

 

●試験課題について、今後取り組んで欲しいこと

品目について(多い順)

ブバルディア、アシタバ、オオサヤエンドウ

内容について

ブバルディアの新品種の育成、栽培管理方法など

●今、大島の農業で重要課題と考えること

高齢化・担い手の減少、出荷方法、販路開拓、農資材・肥料の入手など

●その他、要望等

今回のような発表会の定期的な開催、研究内容や試験結果の情報発信など