黒潮は、今後もA型で推移

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平成30年7月25、26日に中央水産研究所(横浜市金沢区)で長期漁海況予報会議が開催され、平成30年8~12月の海況予報が水産庁より発表されましたので、お知らせします

 

海況の現況   

 黒潮は昨年の8月以降、大蛇行が続いています。現在、黒潮は潮岬沖をかなり離岸し、御前崎沖で31°N以南まで蛇行した後、伊豆諸島海域を北流するA型流路が継続しています。

     

図1

     図1 関東・東海海況速報(平成30 7月27日)

 

海況予測(平成30年8~12月) 

 今回の予報会議でも、前回2004年~2005年のA型時との相違点やこのA型がいつまで続くのかといったことなどが議論されました。前回のA型は、黒潮の北流部が伊豆諸島の西側にあり、遠州灘から熊野灘へは黒潮内側反流が形成されました。今回のA型は、黒潮の北流部が伊豆諸島海域にあり、小さな流路変動が繰り返されています。これに伴い、伊豆諸島北部海域から遠州灘への暖水波及が断続的に発生しています。予測モデル(FRA-ROMS)によれば、今後も都井岬から足摺岬では接岸傾向、潮岬では離岸傾向が持続することが予測されています。そのため、引き続きA型が継続するという予測になりました。

 

伊豆諸島北部海域の海況見通し

 伊豆諸島北部海域の沿岸水温は、A型時には伊豆諸島付近を北流する黒潮の影響によって「平年並」~「高め」となることが推測されます。また、今後も黒潮流路の小規模な変動による暖水波及の発生が予測されます。よって予測期間中は概ね「平年並」~「高め」で経過し、暖水波及時には一時的に「高め」~「極めて高め」となることが予測されます。

図2 黒潮流路の代表的なパターン

  図2 黒潮流路の代表的なパターン

A型:八丈島の北を通過(32°N以南まで蛇行)