GO-Shimaで、流れを予測する!

     PDFはこちら大島事業所トピック No.379 [448KB pdfファイル]         

   海での安全を守るため、茨城大学と共同で「3D海洋数値シミュレーション*」を開発しました。このシステムでは、伊豆諸島周辺海域における潮の流れを計算により予測することができます。現在、試験的にその結果について公開し、ご意見を募集しています。
  

新たに分かったこと

   No,358(平成26年8月18日)で紹介させていただいた海洋観測装置では、24時間データを集めています。そこでは、とても奇妙な現象が捉えられました。海面から海底までの水温が3℃以上も周期的に急下降し、潮の流れも速くなるという現象です。これらを引き起こしている原因が、潮汐流による内部波であることが判明しました。

 

事前に予測する 

  そこで、これら現象を事前に予測するために、3D海洋数値シミュレーションを開発しました。現在、GO-Shima(General Oshima Tide model)と命名し、計算結果を公表しています。予測結果は、次の3画面で構成されています。

 ①図1は「海面付近の流れ」を予測しています。矢印で流れる方向を表示し、赤い箇所では、流れが速く、白い箇所では、遅いことを示しています。 

 ②図2は「海底付近の流れ」を予測しています。上図と同様に矢印と色で、流れとその速さを示しています。釣りやダイビングの際に、参考になると思います。

 ③図3は「水深50mにおける水温偏差」を予測しています。赤い箇所では周辺より高く、青い箇所では、流れにより湧昇が発生することで、周辺よりも水温が低くなっている箇所です。

 図1 図2 図3

     図1          図2             図3 

 

  予測できる海域は、①大島周辺、②利島から神津島周辺、③三宅島周辺、④御蔵島周辺の4か所です。サイト上から選択してください。

希望する予測日は、画面横のカレンダーを使い、指定します。時間は1時間ごとに表示が可能になっており、上部の1時間前、もしくは1時間後のボタンを使い指定してください。

  なお、予測結果は、風や黒潮の影響により実際とは、異なる場合もあります。

 

GO-Shimaは、下記のサイトで公開中です。

http://eiji.eng.ibaraki.ac.jp/GOShima/index.html

 

本事業は、JST、CRESTの支援を受けたものです。

*3D海洋数値シミュレーションは、スタンフォード大学で開発された非構造化グリッド沿岸域海洋モデルSUNTANSを用いています。