黒潮は、今後もA型で推移

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 令和元年8月1、2日に中央水産研究所(横浜市金沢区)で長期漁海況予報会議が開催され、令和元年8~12月の海況予報が水産庁より発表されましたので、お知らせします。

 

海況の現況   

 黒潮は一昨年の8月以降、大蛇行が続いています。現在、黒潮は潮岬沖をかなり離岸し、遠州灘沖で30°N付近まで蛇行した後、伊豆諸島海域をS字状に北上するA型流路が継続しています。     

図1

     図1 関東・東海海況速報(令和元 8月 5日)

 

海況予測(令和元年8~12月) 

 前回の2004年の大蛇行では、大蛇行が終息する前に黒潮の流量が急激に大きくなりました。流量が大きくなると遠州灘沖の蛇行を東に押し出してA型からC型に移行し、大蛇行は終わります。今年は依然として黒潮流量が増加する兆しが見られていません。また現在、7月に都井岬沖に発生した小蛇行が足摺岬付近を東進していますが、大蛇行を崩すことはなく、引き続き「A型で推移し、伊豆諸島の西側を北上することが多い」という予測になりました。大蛇行は蛇行の規模が大きいと長期化する傾向があります。今回の大蛇行は史上2番目の蛇行規模となっていることからも長期化することが予想されます。

 

伊豆諸島北部海域の海況見通し

 伊豆諸島北部海域の沿岸水温は、蛇行北上部が伊豆諸島の西側を北上することから伊豆諸島北部全体に暖水が波及し、「高め」~「きわめて高め」となることが推測されます。また、今後も黒潮流路の小規模な変動によって一時的に黒潮流路が御蔵島よりも南を通過するときには「平年並み」~「高め」となることが予測されます。

図2 黒潮流路の代表的なパターン

  図2 黒潮流路の代表的なパターン

A型:32°N以南まで蛇行

 

 

島しょ農林水産総合センターでは、日々の海況図をホームページ(http://www.ifarc.metro.tokyo.jp/20.html

で公開しております。ぜひご利用下さい。