黒潮は、一時的にB型。10月以降C型基調で推移する。

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  平成29年7月26、27日に神奈川県横浜市において漁海況予報会議が開催され、平成29年8~12月の海況予報が水産庁より発表されましたのでお知らせします。

 

海況の現況   

 黒潮は5月下旬に小蛇行が潮岬を通過し、遠州灘沖で発達しながら東進したため、7月上旬には伊豆諸島を大きく迂回するC型へ移行しました。伊豆諸島東側の黒潮の北流部からは暖水が波及し、遠州灘沖で小暖水渦となって停滞しています。7月下旬現在、新たな小蛇行が足摺岬沖を東進しており、紀伊水道沖に達しています。

 

     

図1

     図1 関東・東海海況速報(平成29 7月28日)

 

海況予測(平成29年8~12月) 

   予報会議では、現在、紀伊水道沖に達している小蛇行が潮岬を通過する時期、遠州灘沖でどの程度まで発達するのか、といったことが議論されました。その結果、8月から12月までの海況予測は以下のようになりました。紀伊水道沖に達している小蛇行は、8月中旬には潮岬を通過する。現在、八丈島付近にある冷水塊は南に切離されて、黒潮は一時的にB型となり、10月以降はC型で推移する。

 

伊豆諸島北部海域の沿岸水温

 8月中旬以降、黒潮がB型流路となると、黒潮が伊豆諸島に沿って北流するようになります。また、気象庁の予報では「8月の気温は全国的に高めになる」といったことから、伊豆諸島北部海域の沿岸水温は「高め」~「きわめて高め」となることが予想されます。10月以降、黒潮がC型に移行すると、伊豆諸島北部海域は黒潮内側の冷水域に覆われるため、沿岸水温は「平年並み」~「低め」で推移しますが、暖水波及時には一時的に「高め」となる模様です。

図2

  図2 黒潮流路の代表的なパターン

  

A型:八丈島の北を通過(32°N以南まで蛇行)

B型:八丈島の北を通過(蛇行が32° N~33 N)

C型:八丈島の南を通過

D・N型:八丈島の北を通過(流路の南端が33N以北)

(注:海上保安庁海洋情報部HPより転載)