黒潮は、1~4月前半はN型、4月後半以降はB・C型で推移

  平成23年 12月20、21日に神奈川県横浜市において漁海況予報会議が開催され、平成24年1~6月の海況予測が水産庁より発表されましたのでお知らせします。

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海況の現況

 黒潮は、10月中旬に一時的なC型を経てD型に移行しました。その後、房総半島沖で冷水域が縮小し、N型に移行しました。12月22日現在、黒潮は、遠州灘沖33°20′N付近から石廊崎沖33°50′N付近まで北上、御蔵島付近を通過して房総半島沖を北東に流れています。

図1 

図1  関東・東海海況速報
(平成23年12月22日)

海況予測(平成24年1から6月)

 黒潮は、1から2月に一時的にB・C型になりますが、4月前半までN型基調、4月後半以降B・C型で推移する見込みです。また、潮岬以東では、熊野灘から遠州灘から伊豆諸島北部は概ね冷水域に入りますが、黒潮の変動に伴い、内側域への暖水波及も予想されます。

 現在、黒潮は都井岬沖で大きく離岸しています。足摺岬沖でも離岸しており、一部が東進を開始した模様です。この東進を開始した一部が1~2月に伊豆諸島に達して一時的にB・C型になります。都井岬沖では3月ごろまで蛇行が続く見込みです。その後、蛇行全体が東進し、4月後半以降、遠州灘に到達してB・C型の流型変化をもたらします。

 

伊豆諸島北部海域の海況見通し

 伊豆諸島北部海域は現在、黒潮の内側、冷水域に入っていますが、暖水波及で伊豆諸島の定地水温は「高め」になっています。今後の水温は概ね「平年並み」から「やや低め」で推移し、暖水波及時には「高め」で推移する模様です。

図2

 図2 黒潮流路の代表的なパターン
A型:遠州灘沖の冷水塊の規模が大きく、長期間継続
B型:冷水塊が遠州灘沖に存在、A型ほど大きくない
C型:冷水塊は伊豆諸島の東西にまたがって存在
D型:冷水塊が伊豆諸島の東側に存在
N型:本州に平行に直進
(注:海上保安庁海洋情報部HPより転載)