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 漁業調査指導船「みやこ」の調査で、御蔵海山においてキンメダイ魚群の撮影に成功しました。

 

キンメダイの魚群形成

 キンメダイは、夜間に海山付近で群を形成することが知られています。しかし、どのような群を形成し、行動しているのか謎でした。そこで、平成26年1月27日に御蔵海山において写真撮影を試みました。その結果、20時ごろ鮮明な魚群の撮影に成功しました。

キンメダイの魚群

 

 

撮影方法

 撮影は、市販のデジタルカメラとストロボを防水ケースに入れて行いました。キンメダイの大きな目は光に敏感で、暗い海の中でもエサを見つけられるようになっています。このため、ストロボの発光間隔を短くすると、警戒し魚群に近づく前にキンメダイが逃げてしまい、逆に間隔が長すぎるとカメラが魚群を通過してしまうなど、ストロボの光がキンメダイの行動に大きな影響を及ぼすことが考えられます。
 そこで、任意の間隔で自動撮影を行う必要がありました。カメラの改造などをおこなうと多額の費用と時間がかかるところですが、プログラムをパソコンで作成し、マイコンで制御することにより、わずか1,000円程度の費用で撮影間隔を自由に制御することに成功しました。カメラの電源をオフにして待機できるようになり、長時間の撮影も可能になりました。
 今回は6秒間隔で9回撮影、5分休止する設定としました。

 

今後の調査  

 今回の調査では、魚群探知機の反応をもとに、水深200m付近にカメラを設置しました。その結果、1枚のみですがキンメダイ魚群を鮮明に撮影することができました。
 今後もより多くの画像データを得ることで、キンメダイの生態解明を進めていきます。

また、撮影と同時に計量魚探などのデータを集積し、キンメダイ魚群が「いつ」「どのような場所に」「どのくらいの尾数で」いるのかを解析し、キンメダイ資源の把握と効率的な活用方法を検討していきます。
 なお、今回撮影したキンメダイ魚群の解析結果については、あらためてご報告します。