大島事業所トピックNo.381 平成30年1~6月の伊豆諸島周辺海域の海況見通し
黒潮はA型で推移する
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平成29年12月20、21日に神奈川県横浜市において漁海況予報会議が開催され、平成30年1~6月の海況予報が水産庁より発表されましたのでお知らせします。
海況の現況
黒潮は7月上旬に冷水域が伊豆諸島海域に移動したためC型となり、その後の新たな小蛇行の通過、発達により8月下旬には遠州灘沖での蛇行の南端が北緯32度以南となる大蛇行となりました。9月中旬にはA型となり、12月下旬現在もA型が維持されています。
図1 関東・東海海況速報(平成30年12月25日)
海況予測(平成30年1月~6月)
予報会議では、A型がいつまで続くか、黒潮流路に影響を与える小蛇行が予測期間内に発生するか、といったことが中心に議論されましたが、予測モデル(FRA-ROMS)では期間内に影響を与えそうな都井岬沖の小蛇行は確認されませんでした。それらを踏まえた議論の結果、1月から6月までの海況予測は以下のようになりました。
「黒潮はA型で推移し、伊豆諸島海域付近を北上する」
期間中、黒潮は遠州灘沖で南に大きく蛇行するA型となりますが、蛇行北上部は伊豆列島線で東西に振れることがあるため、伊豆諸島海域の沿岸水温はそれに伴う暖水波及や、冷水域の移動等による影響を受けることも予想されます。
伊豆諸島北部海域の沿岸水温
黒潮のA型流路が継続すると、伊豆諸島北部海域では黒潮内側反流による暖水波及の影響を受けるため、沿岸水温は「平年並」~「高め」で推移します。ただし、暖水波及がない時には冷水域に覆われることもあり、その場合の沿岸水温は「低め」~「平年並」となる模様です。
図2 黒潮流路の代表的なパターン
A型:八丈島の北を通過
C型:八丈島の南を通過
