「みやこ」による沖ノ鳥島海域漁業調査

  

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沖ノ鳥島とは   

 沖ノ鳥島は九州・パラオ海嶺上に位置するサンゴ礁で、東小島と北小島が含まれます(図)。

 この周辺海域で「みやこ」による曳縄調査、海洋観測、マルチビームによる海底地形調査、ネット調査などを行いました。また、沖ノ鳥島のリーフ内におけるサンゴの生息状況を調査しました。

 今回は相次ぐ台風の通過で出港が一か月遅れ、7月24~31日の航海となりました。

 図 小島とリーフで形成される沖ノ鳥島

中層魚礁調査 

 曳縄調査では、水面から50m程度の深さに設置されている大型中層魚礁の位置を、ソナーを用いて確認し、曳縄調査し、カツオ・マグロ類を釣獲しました。九州・パラオ海嶺は伊豆・小笠原列島沿いなどとともに、カツオの北上経路の一つです(図)。釣獲したカツオ・マグロ類には標識を装着し放流しました(写真1)。これらが再び漁獲されると成長や移動などを知ることができます。

写真1 標識を付けたカツオ


沖ノ鳥島周辺をうなぎは通っているか?  

 ネット調査ではIONESSと呼ばれる多段階開閉式のプランクトンネットを使用しました。最近になってニホンウナギの産卵場は沖ノ鳥島から南方に約1,000kmほどのマリアナ海溝南部付近であることがわかってきました(図)。そこで産まれたニホンウナギの仔魚が沖ノ鳥島付近を通っていないか調査しました。ネットは深度500mから50m毎に9層曳網しました。結果については現在解析中です。

写真2 IONESS投入

 今後の南方海域調査は、沖ノ鳥島海域での調査はもとより、最新の研究結果に基づき、伊豆諸島の漁業資源とより関連の深い伊豆小笠原マリアナ島弧沿い、沖ノ鳥島より広いEEZをもつ南鳥島海域での調査の拡充が求められます(図)。