黒潮は、1~3月はN型、4~6月はB・C型で推移

 平成22年12月15、16日に神奈川県横浜市において漁海況予報会議が開催され、平成23年1~6月の海況予測が水産庁より発表されましたのでお知らせします。 

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海況の現況

黒潮は、11月末にB型、12月中旬にC型流路となり、その後、八丈島付近の冷水域を切り離し、N型に移行しました。現在、黒潮は、潮岬で接岸し、遠州灘沖北緯33度10分付近を東進し、八丈島の西沖から野島崎沖を北上した後、房総半島沖を北東に流れています。黒潮北上部から伊豆半島、大島付近に広く暖水が波及しています。

 関東・東海海況速報

図1 関東・東海海況速報(平成22年 12月20日)

海況予測(平成23年1~6月)

 黒潮は、1~3月はN型基調で推移し、4月以降B、C型に移行する見込みです。潮岬以東の熊野灘~遠州灘~伊豆諸島北部海域では、概ね冷水域に入り、黒潮の変動により内側域への暖水波及が予想されます。一方、宮崎県の都井岬沖と遠州灘には冷水域が存在し、遠州灘の冷水域は東に移動しますが、規模が小さく、流型変化には至りません。都井岬沖の冷水域は、1月に一部が、3~4月には全体が四国沖を東進し、4月以降には、遠州灘~伊豆諸島に到達してB、C型の流型変化をもたらす見込みです。

伊豆諸島北部海域の海況見通し

 現在、伊豆諸島北部海域は黒潮北上部から暖水波及で高水温ですが、遠州灘沖の冷水域が東に移動することによって間もなく冷水域に入ります。
 伊豆諸島北部海域の水温は、「平年並み」~「低め」で推移し、暖水波及時及びB型の時には「高め」になる模様です。

 

黒潮流路のパターン

図2 黒潮流路の代表的なパターン

                                 A型:遠州灘沖の冷水塊の規模が大きく、長期間継続

                                 B型:冷水塊が遠州灘沖に存在、A型ほど大きくない

                                 C型:冷水塊は伊豆諸島の東西にまたがって存在
                                 D型:冷水塊が伊豆諸島の東側に存在
                                N型:本州に平行に直進
                                 (注:海上保安庁海洋情報部HPより転載)